IDC Japanは6月16日、国内産業分野別IT投資動向と2009年から2013年の市場規模予測を発表した。
国内の多くの企業が世界的な景気後退の影響を受けて業績を悪化させており、IT投資を抑制する企業も増加している。このことから2009年の国内IT市場規模は前年比3.8%減の12兆1770億円にとどまる見通しだ。また、2008年から2013年の年間平均成長率(CAGR)はマイナス0.1%となり、2013年のIT市場規模は12兆6265億円と予測している。
2009年は、ほぼすべての産業分野において市場が縮小する見込み。特に輸出の減速に苦しむ組み立て製造(前年比7.6%減)、プロセス製造(同4.5%減)、証券/その他金融(同7.1%減)、銀行(同5.3%減)などの市場は縮小幅が大きい。
一方、医療分野は2012年4月から原則義務化されるレセプトのオンライン化対応とそれに伴う医療情報ネットワークの構築などによって、前年比0.2%増とプラス成長を維持すると予測している。また官公庁も、税収減によって一部の投資は抑制されるものの、中央官庁の業務/システム最適化プロジェクトなどが進捗することから、前年比0.5%増と同様にプラス成長になるとしている。
今後の見通しについては、金融商品取引法施行に伴う内部統制強化に加え、製品安全法制、環境法制、および労務管理などより幅広い分野でのコンプライアンス対応が求められていることから、これらの分野でのIT投資は継続すると予測している。また流通、サービスなど内需型の産業分野では、売上拡大を目指してEコマース関連のIT投資が堅調に推移するとIDC Japanではみている。
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