Hewlett-Packard(HP)が中国で省エネ型PCを発表した。意外なプロセッサが採用されている。
デスクトップPC「HP Compaq dx2020」は、チップセットメーカーで知られる台湾企業VIA Technologies製の「C7-D」プロセッサを採用する予定である。同社はプロセッサの境界領域市場でかなりのシェアを持ち、主に新興市場の小規模メーカー向けの販売を行っている。HPがリリースするこのPCは中国のビジネスユーザーをターゲットにしたものである。
VIA製プロセッサは、HPの新しいセールスポイントになる。今回採用するプロセッサの消費電力は20Wとなっており、デスクトップ用プロセッサとしては低い数値である。世界各国のIT管理者が、より電力効率の良いサーバやデスクトップPCを導入して電力消費を抑えようとしている。エネルギー消費の削減は、電力の多くが石炭による火力発電所で生産される中国にとってはとくに深刻な課題である。石炭による火力発電は、同国の主な環境汚染源になっている。
HPが中国製を売り文句にする可能性もある。VIAの本拠は台湾であるが中国のPCメーカーとも連携しており、同社のプロセッサを採用したPCが「中国製CPU」を搭載した製品として販売されている。
VIA製プロセッサの販売量は、競合企業であるIntelやAdvanced Micro Devices(AMD)と比べてはるかに少ない。HPは、ビジネス用デスクトップPCへのAMD製プロセッサ採用も、主要企業としてはいち早く実施した企業の1社だ。
VIAが大手コンピュータメーカーと提携するのは今回が初めてではない。サムスン電子製ハンドヘルドコンピュータにもプロセッサを提供している。
HPの新PCは、1.5GHzのVIA製プロセッサと最大1Gバイトのメモリを備える。
間接的ではあるが、VIAとHPの提携は今回で2度目と言えるかもしれない。Compaqが1997年に、1000ドルを切る初のコンピュータを、Cyrix製プロセッサ搭載でリリースしている。このPCは主要PCメーカーのトレンドを、格安PCの発売へと誘導した。
National Semiconductorが最初にCyrixを買収し、Intelに対抗しようと試みたが最終的には挫折した。その後、VIAがCyrixの資産を一部買収し、残りはAMDが取得している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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