世界のスーパーコンピュータTOP500ランキングにおいて、Advanced Micro Devices(AMD)がIntelを追い上げていることが明らかになった。もっとも、Intelの新しいXeon 5100「Woodcrest」プロセッサを利用したシステムも数多くランクインしている。
スーパーコンピュータの「TOP500 」ランキングは年2回発表される。6月に発表されたランキングではIntelプロセッサ搭載システムが301台だったのに対し、今回の発表でランクインしたのは263システムだった。同期間に、AMDプロセッサ搭載システムは81システムから113システムへと数を伸ばしている。TOP500 ランキングはフロリダ州タンパで開催中のSC06スーパーコンピューティングショーで米国時間11月13日に発表された。
AMDは近頃プロセッサ市場においてもIntelからシェアを奪取しており、スーパーコンピュータの分野における今回の成長振りは、こうした現状を反映している。もっとも、6月のリリース以来、プロセッササーバシェアの奪還に一役買ってきたIntelの「Woodcrest」プロセッサを搭載したシステムも、31システムがランクインしている。
TOP500ランキングは、独マンハイム大学のHans Meuer氏、ローレンスバークレー国立研究所のErich Strohmaier氏ならびにHorst Simon氏、テネシー大学ノックスビル校のJack Dongarra氏の4人の研究者が編集し、各地のスーパーコンピューティングショーで発表している。TOP500ランキングでは、不備を指摘する声はあるものの、「Linpack」というベンチマークテストが用いられる。Linpackでは処理性能をテラフロップス(1テラフロップスとは、1秒間に1兆回の浮動小数点数演算を実行できることを示す)という単位で表している。
今回も、280テラフロップスの性能を誇るIBMの「Blue Gene/L」がトップの座を維持している。TOP500ランキングには、IBMの「Power」プロセッサを採用するシステムはこれを含めて93システムランクインしており、そのうちの4システムがトップ10に含まれている。
2位につけたサンディア国立研究所にあるCrayの「Red Storm」システムはAMDの「Opteron」プロセッサを搭載している。処理性能は101.4テラフロップス。
TOP500にランクインしたシステムの大半はクラスタを採用しており、高速ネットワークで小型マシンをリンクする構成となっている。通常、こうしたシステムではx86プロセッサが採用されるが、IntelのItaniumチップファミリーを採用するシステムは、6月の37システムから今回は35システムへと減少している。
今回の発表では、主流でないプロセッサが高性能コンピューティング分野で苦戦を強いられている状況も明らかになった。Hewlett-Packardが取り扱いを中止する2つのプロセッサアーキテクチャのうち、「PA-RISC」システムは20システム、「Alpha」システムは3システムが今回のランキングに含まれている。Sun Microsystemsも「SPARC」ファミリーの復活を目指しているにも関わらず、ランクインしたSun製のシステムは10システムすべてが、AMD Opteronなどのx86チップを採用している。ランクインしたSPARCシステム3機種はどれも富士通製で、Sunの「SPARC64」プロセッサを搭載していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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