Silicon Graphics(SGI)が、UNIXの一種であるIRIX OSと、同OSが動作するMIPSチップ搭載コンピュータの販売を2006年末に中止し、同技術の18年の歴史に幕を下ろす決定を下した。
SGIのウェブサイトには、「革新性と汎用性の高さが評価され、20年近く世界をリードしてきたMIPS/IRIX製品の販売を2006年12月29日で終了する」と書かれている。SGIによると、その後も「特別契約」に基づきシステムの販売を継続し、少なくとも2013年12月まではサポートも提供するという。
SGIは近年、IntelのItaniumプロセッサとLinux OSを搭載したものに自社の製品ラインアップを移行してきていたため、この動きはさほど驚くには値しない。しかし、今回の決定により幅広く普及したハードウェアやソフトウェアの基盤がまた1つ、コンピューティング業界から消えることになる。
SGIは、映画「ジュラシック・パーク」に登場する恐竜の特殊効果など、グラフィックス処理を行うハイエンドマシンで名を馳せた。しかし、一般のコンピュータ機器の処理能力が向上し、企業向けシステムに力を入れるSun MicrosystemsやHewlett-Packard(HP)、Dell、IBMがハイ パフォーマンスコンピューティングに関心を持ち始めるにつれ、SGIは財政的に追い詰められていった。
こうした動きの犠牲となったのは同社だけではない。Compaq Computerも、HPに買収される直前にAlphaプロセッサの製造を中止し、Tru64 UNIXをItaniumに対応させる決定した。だが、HPは買収後にTru64の取り扱いを中止した。HPは自社のUNIX互換OSであるHP-UXを今も開発する一方で、まもなく役目を終えるPA-RISCチップに代わり、Itaniumへの移行を進めている。
一方、UNIXに似た、オープンソースOSであるLinuxは、IntelのXeonやAdvanced Micro Devices(AMD)のOpteronなど、広く普及したx86プロセッサ上で動作することから知名度を高めた。現在もUNIXの主流プラットフォームであるHPのHP-UX、Sun MicrosystemのSolaris、IBMのAIXは開発が進められているが、このなかでx86チップに対応するのはSolarisだけとなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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