Silicon Graphics(本社:カリフォルニア州マウンテンビュー)は米国時間5月8日、財政破綻からの復活と組織再編を目指し、連邦破産法第11章の適用による破産保護手続きを申請したと発表した。
SGIは、映画業界やグラフィックス分野で名を馳せたサーバおよびワークステーションメーカー。同社は再建計画の下、資本配置を見直すことや、負債を2億5000万ドルまで圧縮することを、債権者との間で同意したことを明らかにした。
ニューヨーク南部地区破産審査裁判所で申請手続きをする同社は、同裁判所にまもなく再建計画を提出する。また、6カ月以内に連邦破産法第11章の適用が解除されることを目指す。
最高経営責任者(CEO)のDennis McKenna氏は声明のなかで、「これは必要かつ責任のある処置である。こうした手続きを通して、経営体制を強化し、SGIの再建を促進する」と述べた。
SGIは、これまでにも何度か再建を試みたことがある。
たとえば、同社は直近では3月に、従業員の12%を解雇し、最高財務責任者(CFO)と最高業務責任者(COO)を新しく雇い入れている。この措置は、年初にCEOの職に就いたMcKenna氏が立案した計画の一環だった。McKenna氏は、コンピューティングに対するニーズの高い通信業界などの新しい分野で顧客を開拓したいと述べていた。
SGIは、2000年にも前CEOのBob Bishop氏がリストラに取り組んでいる。このときは、スーパーコンピュータ、マルチメディアソフトウェア、民生機器向け組み込みチップから、デジタルコンテンツ制作や科学技術プロジェクト向けスーパーコンピューティングなどの、より小さな市場へと事業の軸足を移そうとした。SGIの技術は「ロード・オブ・ザ・リング」などの映画制作で採用されてきた。
1999年にBishop氏がCEOに就任する以前にも、当時のCEOだったRick Belluzzo氏が1500人の人員を削減したり、Crayスーパーコンピュータ事業部を売却したりするなどして、会社の再建を試みている。
1990年代前半からさまざまな努力を続けてきたにもかかわらず、同社は赤字経営から脱却できず、投資家を失望させてきた。SGI株は2005年暮れ、ニューヨーク証券取引所の上場要件を満たせなくなり、取扱銘柄から外されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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