Hewlett-Packard(HP)は米国時間17日、ItaniumベースのIntegrityサーバ製品で、新チップの採用、4つめのOSのサポート、同一マシン上で複数のタスクを走らせる新しいオプションなど、一連の機能強化を図ったことを発表した。
HPは今回の変更を17日に発表したが、同社CEOのCarly Fiorinaをはじめとする経営陣は、18日に行われるウェブキャストで詳細を説明することになっている。
Itaniumは、これを共同で開発したHPとIntelの期待よりも遅れて登場したが、同チップを搭載する新しいサーバ製品は人気を博している、と両社では主張している。HPによると、Itanium関連の売上は2004年に10億ドルを上回っており、HPのItaniumサーバの出荷台数は年末までにPA-RISCプロセッサベースのサーバに匹敵するようになるという。
既報の通り、今回の発表でハイエンド向けのIntegrityサーバが発売になった。これには、9Mバイトの高速キャッシュメモリを搭載したItaniumプロセッサの最上位モデルが採用されている。HPはまた、Itaniumで動作するようになった由緒あるOpenVMS OSのバージョン8.2もリリースした。
IntegrityシリーズにはOpenVMSのほかにも、Microsoft Windows、Red HatとNovellのLinux、そして「HP-UX」と呼ばれるHP版Unixの3種類のOSが対応している。これら4つのOSは、パーティショニングと呼ばれる技術を利用することで同一サーバ上で動作させることができる。
さらに、これらのOSの一部では機能強化も行われている。HPでは、Windows用のペイ・パー・ユース・プログラムをサポートし、Windowsのパーティションが使う計算処理能力に応じて顧客が対価を支払えるようにしている。
Linuxも、NovellのSuSE Linux Enterprise Server(SLES)9を利用することで、8プロセッサモデルだけでなく、16プロセッサ搭載のIntegrityサーバでも動作するようになった、とHPは語っている。このような改善は、2.6 Linuxカーネルの採用によって実現された。なお、Red Hat Enterprise Linuxでも2005年第1四半期に2.6 Linuxカーネルの採用が予定されている。
HPによると、5つめのOSであるNonStopは2005年半ばに登場予定だという。だが、これはIntegrityシリーズとはやや異なるハードウェアが要求される非常にハイエンドの特殊なサーバで採用されているもの。
HPには、1台のサーバが複数のタスクをこなす際の処理能力を改善するVirtual Server Environmentという一連のソフトウェアもある。
同社はProcess Resource Manager 3.0も発表した。これは、メモリやプロセッサの処理能力、ネットワークの帯域などを自動的に割り当てるHP-UX用の製品だ。
さらに同社は、1つのシステムで稼働する複数のタスクの優先順位を自動的に決めるHP-UX Workload Managerのバージョン3も発表し、またこれと同様の機能を、HP-UXまたはLinuxで動作する複数のサーバをまたいで実現するGlobal Workload Managerも明らかにした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス