テキサス州オースティン発--Intelの最高経営責任者(CEO)であるPaul Otellini氏は米国時間5月3日、途上国の学校向けのノートPCについて発表し、テクノロジを世界の隅々まで行き渡らせるための努力をするよう、各国政府に要請した。
Otellini氏は、先週開催された「World Congress on Information Technology(WCIT)」において、Intelが開発した教育用アプリケーションを同ノートPC「Eduwise」上でデモンストレーションして見せた。WCITは、1年に2度開かれているイベント。同社はEduwiseの価格帯を400ドル以下に設定して、2007年第1四半期から販売を開始する予定だ。
Otellini氏が、Intelは先進国と途上国間の技術に関する差を埋めるための製品開発に携わっていると強調した前日、同社は「World Ahead」プログラムの一環として、教育およびトレーニングに10億ドルを投資する計画を明らかにしていた。
「デジタルデバイドを克服するという目的であっても、時代遅れのテクノロジではだれからも求められない」(Otellini氏)
Eduwiseラップトップのような低価格PCの先駆としては、AMDの「Personal Internet Communicator」や、マサチューセッツ工科大学のNicholas Negroponte氏率いる「One Laptop Per Child」プログラムの製品などがある。
Otellini氏は、今年に入りIntelがブラジルで主催したカンファレンスで、同ノートPCの初期型を公開している。3日には、同製品は、Intelがブラジルやインド、中国に開設した設計施設の努力のたまものだと発言した。Eduwiseはハードドライブではなくフラッシュメモリを利用し、Microsoftの「Windows XP」を搭載する。
Intelはまた、ネットワークに接続されている教室のコンピュータから、生徒がインターネットへアクセスする方法と時間を監視するアプリケーションも教育者向けに開発した。例えば、教師が自身のコンソール上のボタンをクリックすると、Eduwiseラップトップ上にプレゼンテーション映像が流れる。生徒は自分のペースでプレゼンテーションを閲覧することが可能で、何か興味を引かれる内容があれば、インターネットにアクセスしてそれを調べることもできる。教師は、生徒がどこまでプレゼンテーションを閲覧したのか、また、どのウェブサイトを参照したのか把握できるという仕組みだ。こうすることで、生徒がスポーツニュースをチェックしたり、友人とオンラインチャットしたりするのを防ぐのである。
Otellini氏は、世界中からおよそ4500人の企業幹部および政府職員、教師らが集まったWCITで基調講演を行い、Eduwiseを紹介した。参加者のうちの2000名は、プライバシーおよびセキュリティの確保とともに、テクノロジへのアクセスと医療ケアサービスの合理化を求める提案を採決するため、代表として派遣された人々だった。
MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏もOtellini氏に続いて登壇し、同社の途上国への貢献をアピールしたが、新しいプロジェクトや取り組みに関する発表は行われなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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