IBMは2006年初頭に、同社のデスクトップソフトウェアでOpenDocument標準をサポートする計画だ。同社はこの製品を発展途上国に積極的に売り込もうとしている。
IBMの幹部らは、現地時間5日にインドのデリーで行なわれる記者会見で、同社の「Workplace Managed Client(WMC)」は、OpenDocumentフォーマット(ODF)で作成された文書の読み込み、書き込み、保存が可能である、との発表を行なう予定だ。ODFは、デスクトップ生産性アプリケーション向けの標準文書フォーマットだ。
IBMはすでに、公式にODFへの支持を表明してきた。同社は、ODFへの支持をMicrosoftによるデスクトップソフト市場の独占を緩和する1つの方法と見ている。しかし、ODFは2005年5月に標準として採択されたばかりで、間もなく発売されるWMCがODFをサポートする最初の製品だ。
ODF支持に関するその他の例としては、米マサチューセッツ州が2005年9月にODFベースのデスクトップアプリの標準採用を決定し、世間の注目を集めた。
しかし、このマサチューセッツ州の決定に対しては、同州政府の一部が異議を唱えている。同州知事は先週、Microsoftはいずれ、かつての標準である「Office」フォーマットを同州の「オープンフォーマット」のためのガイドラインに準拠させるだろう、との「楽観的な」見方を示した。
WMCはMicrosoft Officeとは異なり、ウェブブラウザ内で文書、表計算書、プレゼンテーション用資料を作成するためのエディターである。各文書は、ウェブポータルを介して配布され、共有ディレクトリに保存される。アクセスコントロールや文書管理ツールが、ユーザー同士の文書の共有や編集を可能にしている。
WMCは今まで、オープンソース製品「OpenOffice」のフォーマットをサポートしてきた。ODFは、このOpenOfficeを基に開発されている。WMCは、Microsoft Officeで作成された文書の読み込み、書き込み、編集も可能だ。
IBMのWMC担当マーケティングマネジャー、Arthur Fontaineは、業界標準のサポートと、WMCのサーバ中心の設計は、発展途上国の顧客、とりわけ各国政府の関心を引くと確信している。
Fontaineは、「インドや中国といった新興市場の政府のWMCに対する関心度は非常に高い」と述べ、さらに「新興市場の人々には、何でもMicrosoft Officeに保存するという習慣はない。今こそ、新興市場への売り込みを開始するチャンスだ」と語った。
Microsoftも、顧客である各国政府の要求に応え、標準化団体のECMA InternationalとISOにOffice 12用ファイルフォーマットを提出する意向を11月に明らかにした。
インドのNational Informatics Center(NIC)の広報担当者によると、同国は、「オープンスタンダードとオープンソース」の技術政策を追求しているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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