シーゲイトは3月2日、エンタープライズ向けの2.5インチハードディスクドライブ(HDD)「Savvio」シリーズを発表した。すでにOEMベンダー向けに評価版の出荷を始めており、6月に量産を開始する。
米Seagateのマイケル・グリーン氏 | |
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Savvioはデータセンターなどで利用されるストレージ向けに開発された小型HDDだ。Savvioの採用により、ストレージの小型化と高密度化が可能になり、消費電力も減らせるという。米Seagateエンタープライズストレージ グローバルチャネルマーケティング担当シニアマネージャーのマイケル・グリーン氏によると、Savvioは従来の3.5インチドライブに比べて70%小型化し、消費電力は40%削減できるとのことだ。
エンタープライズ向けに2.5インチHDDを投入することについてグリーン氏は、「顧客は小型で高密度のシステムを求めており、コンポーネントを小さくする必要がある」と話す。小型化によってスペースを有効活用でき、全体的なデータセンターコストを削減できるというのだ。
Savvioでシーゲイトがもう1つ力を入れたのが、信頼性の向上だ。2.5インチHDDはノートPC向けの製品がすでに出荷されており、一部のブレードサーバでも利用されている。しかし、ノートPC向けの2.5インチHDDは24時間365日のフル稼働を前提としておらず、信頼性に問題があった。SavvioのMTBF(平均故障間隔)は140万時間で、エンタープライズでも十分利用可能なレベルだとグリーン氏は説明した。
2.5インチHDDの「Savvio」 | |
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Savvioのスピンドル速度は1万rpm。容量は36.7Gバイトと73.4Gバイトの2種類がある。SCSIとファイバチャネルのインターフェースを搭載したバージョンは6月に登場する。ただし、シーゲイトがIntelなどと開発したシリアルアタッチドSCSI(SAS)を搭載したバージョンは2004年第3四半期(7〜9月)に出荷される予定だ。
米Gartnerの予測では、エンタープライズ向け2.5インチHDDが2007年までにマルチユーザー環境のHDDフォームファクターで支配的な地位を占めるという。米Fujitsu Computer Products of Americaもエンタープライズ向け2.5インチHDDの評価版を出しているが、「ライバル企業にはSASインターフェース搭載版しかない。SCSIとファイバチャネルに対応しているのがSeagateの強みだ」とした。
シーゲイトではSavvioの発売に伴い、1万rpmの3.5インチHDDの開発を停止する。ただし1.5万rpmの3.5インチHDDについては、今後も開発を続けていくとしている。
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