フロリダ州オーランド発--Intel最高経営責任者(CEO)のCraig Barrettは来春CEOの座を後任に譲る予定だが、今も戦い続けている。
Barrettは市場調査会社Gartnerの主催で開かれた業界カンファレンスで、6500人以上のIT幹部らを前に講演を行い、Intelのチップ発売の失策から米経済政策の影響に至るまで、さまざまなテーマについて語った。
Intelが先週4GHz Pentiumプロセッサの発売計画を中止した理由を尋ねられると、Barrettは「(Intelは)顧客への責任を果たせなかった。われわれのミスだ」と認めた。
Barrettは「この約束は是非とも果たしたかった。許してください」と述べ、観衆に向かって片ひざをつき嘆願するポーズを取った。
計画を変更したのは、Intelがより高速なプロセッサを構築するか、より強力なプロセッサを構築するかの選択を迫られたためだ、とBarrettは説明している。「この計画変更は、性能に関して業界が直面している問題を示している。トランジスタのスピードを追求することはできるが、他の方法をつかってプロセッサの性能を向上させることも可能だ」
マルチコアプロセッサへの進出については、「消費電力の課題を避けるために、間違いなくIntelが取るべき道だ」とBarrettは述べている。
Barrettは、教育や研究資金に関する政策に率直に意見することでも有名だが、自らの今後の計画については全く明らかにしなかった。
Barrettは来年5月にCEOを退任し、同社社長Paul Otelliniがその後任となることが決まっている。Barrettは「私はCEOを退任しても、ハイテク業界から離れるつもりはない。私は今後も何らかの立場でIntelや業界に関わっていきたいと考えている」と述べた。
また同氏は、政治に関しては傍観者のままで満足だと述べる。Barrettは自分には「政治家としての役割はない」と言う。「私はIntelとハイテク業界の仕事に30年間携わってきたし、私はこの業界に魅了され続けている。この事業から離れることは難しい」(Barrett)
だがBarrettは、米政府が科学教育や研究に十分な資金を提供していないことを批判するチャンスを逃さなかった。
「世界規模でみると環境に問題があるし、そのほかにも課題は多い。だがこの問題は大統領選挙で議論されていない。高い教育を受けた大勢の人々が米国での仕事を求めて競争しているが、この点も議論されていない。議論されているのは、織物産業の労働者やピローケース工場の労働者を保護する方法ばかりだ」(Barrett)
Barrettは、米国の科学研究開発予算を倍増するよう求めている。「20年間も金額が変わっていない」(Barrett)
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