サンフランシスコ発--Intelのある幹部は米国時間7日、同社のハイエンドプロセッサであるItanium製品が、普及度の点で同社の期待したレベルに達していないことを認めた。Intelの幹部がこうした発言を行うのはめずらしい。
「各種の具体的な目標を今年達成しそうかとの質問に対しては、われわれが設定した意欲的なレベルには達しない、という答えになる」と、Intelのエンタープライズ・プラットフォーム・グループのゼネラルマネージャ、Abhi Talwalkarは、現在当地で開かれている「Intel Developer Forum(IDF)」における講演後の質疑応答でそうコメントした。
Intelはかつて、PC分野におけるPentiumプロセッサのような圧倒的な優位を誇るサーバ向けチップとして、Itaniumを位置づけていた。だが、Pentiumマシンと同じソフトウェアを動作可能なXeonプロセッサ(搭載マシン)が、いまだにサーバ出荷数の大部分を占めており、さらに最近のIntelは、Itaniumについて、Sun MicrosystemsのUltraSparcやIBMのPowerのような競合のハイエンドプロセッサの単なる代替品としか位置づけていない。
だが、こうした点を認めながらも、TalwalkarはItaniumの売上が好調であり長期的には目標に達すると語った。
大規模サーバ分野におけるItaniumサーバの売上は、前年比で2〜3倍となっており、一方16-way以上のハイエンドサーバ分野では10倍に増えている。加えて、2-wayまたは4-wayのItanium搭載サーバの種類は、2002年の20モデルから今年は70モデルまで増加しており、8-way以上のItaniumサーバの種類も、2002年の5モデルから今年は20モデルに増えていると同氏は語った。
立ち上がりの遅いItaniumだが、Intelは依然として同チップの支持を公約している。Talwalkarは同日、2005年に登場予定の次世代Itanium「Montecito」を採用する4-wayサーバのデモストレーションを行った。
さらにTalwalkarは講演の中で、2006年末までに登場予定の「Montvale」(開発コード名)と呼ばれる高速版Montecitoの計画を紹介した。それ以外に、Montvaleの低電圧版も登場する見込みだという。
同氏は、XeonとItaniumが共存することになると述べた。「Intelでは、2つのアーキテクチャを併存させるアプローチが、企業顧客のさまざまな要求応える最良のやり方だと考えている」(Talwalkar)
だが、Talwalkarは、Xeonに64ビット機能拡張(EM64T)を追加しアップグレードするとの決定から困難が生じていることも認めた。この機能拡張により、Xeonでもより多くのメモリを使えるようになるが、しかしこれはItaniumの主なメリットの1つだった。
「『影響はない』といえばいい加減に聞こえるかもしれない。だが、あるといっても大半はノイズと混乱だ」と、同氏はEM64Tに関してコメントした。「私の考えでは、それが原因で数カ月ほど遅れを取った」(Talwalkar)
Illuminataのアナリスト、Jonathan EuniceはTalwalkarの言葉を翻訳して、次のように語っている。「EM64Tの登場がItaniumの計画をぶち壊しにした。Intelはそうなると予想しておくべきだったが、しかし計画のサイクルや発表のサイクルが、いつも同期するとは限らない」
Intelは当初の希望より早めにEM64Tの発表を余儀なくされたが、これは競合するAMDが同社の「AMD64」という技術で、非常に大きな反響を巻き起こしてしまったためだったとEuniceはいう。AMD64は2003年に発売されたOpteronに採用されている。
「AMDの技術があまりにも人気を集め、存在感を増していた。本当の上顧客もこの技術に大きな関心を寄せていた」(Eunice)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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