1960年代を象徴するドラマーBuddy Milesの言葉を借りれば、グラフィックチップ市場には「いろいろと変化が起きている」ところだ。
GPU市場を追跡調査しているMercury Researchによると、NVIDIAが減速する一方で、Advanced Micro Devices(AMD)のグラフィックス部門ATIが、市場の「急進的な」変化に後押しされて勢いを増しているという。
「AMDはこの四半期、総出荷数でNVIDIAを追い越し、(そして)今やスタンドアロンGPUとノートPC用スタンドアロンGPUの主力サプライヤーであり、グラフィックソリューション全般で第2位のサプライヤーとなった」。Mercury Researchの報告書にはこう記されている。首位サプライヤーの地位を長年にわたり維持しているのはIntelだが、これは同社がプロセッサに付属するチップセットにグラフィックス機能を組み込んでいること、また最近はCPUにその機能を組み込んでいることによる。
当然ながら、AMDがNVIDIAから第2位の地位を奪ったことには十分な理由がある。Mercuryによると、モバイル用グラフィックス市場全体の規模がデスクトップ用グラフィックス市場全体を初めて上回ろうとしているちょうどその時に、AMDはノートPC市場でのシェアを拡大しているという。AMDの「ATI Radeon HD 5000」シリーズ(ノートPCとデスクトップPCの両方で使用される)は第2四半期に出荷数が「大幅に急増」したとMercuryは述べている。
またモバイル用GPU市場の構図自体も変化しつつある。「モバイル用統合グラフィックスCPU市場の規模は、モバイル用スタンドアロングラフィックス市場とモバイル用統合チップセット市場の両方を初めて上回った」という。つまり、Intelの「Core i3」や「Core i5」プロセッサをベースとした最新モバイル用チップの出現で、CPUは今やGPUの機能も兼ねるものになったということだ。これらのチップは、それまで別個のものだったGPUの機能を取り込んでCPUと組み合わせている。
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