Twitterは古いやり方を再び新しくし、実際の人間が同社のデータセンターに、話題のハッシュタグやトピック検索の意味を理解する方法を教えるという新システムを発表した。
しかし、これを機械に対する人間の明らかな勝利だといって興奮しすぎてはいけない。1つの理由は、人々が行うその作業は、Twitterの強力な情報システムにもできないようなことを行えるのかもしれないが、十分な報酬を与えられない単純作業のようだからだ。
そしてもう1つは、さらに重要なことだが、あなたがTwitterの広告主でない限り、実際にそうだと気付けるほどTwitterのサービスが向上することは期待できないからだ。その理由はこのシステムの主な目的にある。同システムの目的は、急激に人気が高まったハッシュタグがあり、コンピュータにはまったくその意味合いを理解できないが人間であれば容易に把握できるという場合に、そのハッシュタグとの関連度の高い広告をTwitterで表示できるようにすることのようだ。
一方で、これはTwitterのビジネスモデルの重要な一部となる可能性がある。外部からはなかなか分からないが、Twitterはどうやら、さまざまなミームについて一般の関心が急激に高まった時に適切な広告を出すことが、大きな売り上げにつながると考えているようだ。Twitterとは実際のところ、そのような関心の波が、人々の意識のふちに静かに打ち寄せながら進みゆくようなものであるとみなすならば、Twitterの考えの通りになる可能性は大いにある。
Twitterは、同社が「リアルタイムヒューマンコンピューテーション」システムと呼ぶものを、難解でややこしい内容のブログ記事の中で明らかにした。この記事を投稿したのはTwitterのデータサイエンティストのEdward Chen氏と、同社の「Revenue @ Twitter」グループのシニアソフトウェアエンジニアであるAlpa Jain氏だ。Chen氏とJain氏の記事の初めの部分は筋の通ったもので、人気が急激に高まるもののすぐに衰える検索の意味を解釈することの難しさを説明している。最近の大統領選の討論で見られた注目すべき例を引用しつつ、次のように書いている。
1. 人々が実行する検索クエリは、これまでに見たことのないものであることも多く、かなり具体的な文脈がなければ、その意味を理解することは不可能である。「#bindersfullofwomen」(女性がいっぱいに詰まったバインダー)というハッシュタグがオフィス用文房具ではなく、政治について言及しているというのは、どうしたら分かるだろうか。あるいは、「horses and bayonets」(馬と銃剣)という検索をしている人々が、大統領候補討論会に関心があることを知るにはどうしたらよいのだろうか。
2. こうした検索クエリの急増は非常に一時的なものであり、その意味を知る機会はわずかしかない。
もちろん、これは現実の人間のTwitterユーザーにとってはまったく問題ではない。そうしたユーザーは普通、何が起こっているかをすぐに理解できるくらいの時代精神というものを持ち合わせている。ハッシュタグや検索語の意味を把握するために、Googleで調べる必要があるかもしれないが(筆者自身、そうしなければならなかった経験が何度もある)。
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