パリ発--「Android」搭載スマートフォンとの激しい競争にもかかわらず、Appleの「iPhone」が最も収益性の高いスマートフォンであり続けているのはどういうことなのかという議論が最近は多い。
HTCやサムスンのような、Android搭載スマートフォンを売る企業はその議論でいい。しかし、自由に利用できるOSを提供しているGoogleには別の議題がある。それは自社サービスの利用を促進することだ。
パリで開催中のLeWebカンファレンスで現地時間12月8日、GoogleのMarissa Mayer氏が論じた同社の関心事はそれだった。ローカル要素を使う製品を担当するバイスプレジデントとして、Mayer氏は携帯電話で起きていることに大きな関心を持っている。
「『Google Maps for Mobile』がAndroid上で輝きを増すのは、できることがずっと多いからだ」とMayer氏は話す。「GoogleにとってAndroidが特別なのは、機能の面でずいぶんいろいろなことができるからだ」
Googleは、マップ上の広告を含むさまざまな広告から売り上げを得ている。宣伝されるものを実際に購入できる場所にいる人に広告を送ることで、少なくとも理論的には、広告の関連性を高めることができる。
Googleの最終目的にAndroidが貢献している例として、ベクタ形式の地図情報への移行がある。ベクタ形式だと、大量のピクセルを保持するビットマップ形式よりずっとコンパクトに地図データを保存できる。
「2010年にGoogle Mapsでベクタ形式を使い始めた。地図データのサイズが1000分の1になった」とMayer氏は言う。「地図データが小さいと表示が大幅に速くなる。このため建物の3D表示を導入できた。地図のキャッシュ機能もあるため、通信が途切れても周辺の地図を見ることができる」
そして米国時間11月29日、Googleは「Google Maps for Mobile 6.0」を発表した。一部のショッピングセンター、ショップ、空港などでは建物内を表示できるようになっている。この機能が最初に搭載されるのは、もちろんAndroid搭載スマートフォンだ。
「これらの革新的な技術をAndroidに盛り込めるのは、Androidが自由と柔軟性を備えているからだ」と、Mayer氏は説明した。
通話とテキストメッセージに続いて携帯電話で3番目によく使われるのが地図機能だ、とMayer氏は述べた。Google Mapsは6月に、すべてのスマートフォンをあわせたモバイルでの利用がパソコンでの利用を常に上回るようになったという。「携帯電話での利用が非常に増えている」と同氏は語った。
ローカルサービスは、Googleのソーシャルネットワークサービス「Google+」と密接に連携する。
Google+が「われわれにとって本当に重要なのは、ローカルがソーシャルを、ソーシャルがローカルを豊かにするからだ」とMayer氏は言う。「人々のつながりを知ること、友達のいた場所や好きなものが分かること、こうしたすべてが本当に重要」であり、それらは位置情報に結びついている、とMayer氏は語った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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