米国時間7月9日に発表された四半期調査によると、ビジネスを活性化する景気回復への信頼感が、ベンチャーキャピタリストの間で高まってきている。
2009年第2四半期を見ると、ベンチャーキャピタリストによる信頼感指数「Silicon Valley Venture Capitalist Confidence Index」が上昇し、5ポイントを最高とする評価で前四半期の3.03ポイントから3.37ポイントに回復した。同指数は2008年第4四半期にこの5年間で最も低い値を示したが、その後は2期連続で上昇している。
この指数は、サンフランシスコ湾岸地域のベンチャーキャピタリストに対して行われる継続調査を基に、新規株式公開(IPO)と今後6〜18カ月の起業環境について市場の信頼度を評価するものだ。
42のベンチャーキャピタリストに対して6月に行われた調査に基づく最新の調査結果は、サンフランシスコ大学(USF)School of Business and Professional Studiesの准教授Mark Cannice氏が報告書を執筆して発表した。
Cannice氏は報告書の中で、「ベンチャーキャピタリストは金融危機の最悪の段階は過ぎたと考えている」と述べている。「金融市場崩壊の影響はベンチャー業界にしばらく残るものの、ベンチャーキャピタリストの大半が、意志が強く才能ある起業家の増加と、持続的なイノベーションの進展を認めている」
IPOの資金調達は少ないが、2期にわたって止まっていたベンチャー企業市場が再び開いたことで第2四半期は押し上げられた点に、Cannice氏は注目している。ベンチャーキャピタリストは、自分たちの基礎をなすビジネスモデルが回復してきていると考えている。
Cannice氏によると、資金の不足によりベンチャーキャピタリストは、「最も立ち直りが早く創造性のある起業家」だけを探し出して支援することを強いられてきた。しかし、このことによって新しい企業に効率の感覚が浸透してきており、長い目で見れば企業の存続を助けることにつながるはずだ。
Cannice氏は調査結果を要約して、報告書で次のように述べている。「公開の資本市場が十分に立ち直るときには、新たな地位を獲得する用意の調った革新的で効率的なベンチャー起業家が十分そろった状態になっているだろう」
6月調査の報告書全文は、USF Entrepreneurship Programのウェブサイトで入手できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス