米テキサス州ヒューストンに拠点を置くTruliteが、携帯型水素発電機「KH4」を開発している。同発電機に水を注ぐと、150ワットの電気を発電し、電力は最大で200ワットに達する。同社の最高経営責任者(CEO)John Goodshall氏によると、この発電機1台で家全体の電気需要をまかなうことはできないが、電気工具、ノートPC、小型電気製品の充電には十分だという。
この発電機は、建築請負業者、特に都心で高層ビルの建設に従事する業者をターゲットにしている。その種の現場では、定期的に電気工具の充電を行う必要がある(Powergenixなどの新興企業が、建設現場で使用される電気工具向け新型バッテリの発売を目指しているのはそのためだ)。
この問題を回避するため、建築業者らは、高価な予備バッテリを携帯したり、ガス発電機で工具の充電を行うなどの対策を講じている。しかし、ガス発電機は異臭や騒音を発するため、ガス発電機の使用は都心のビル建設の要件に抵触する場合が多い。そこでTruliteは、建築業者らがガス発電機の代わりにKH4を導入することを期待している。
また、キャンプ場でテレビを見るために発電機を持って行く人にとっても、携帯型水素発電機なら雑音を排除できる。
燃料電池の活性成分は水素化ナトリウムだ。この物質は、水分子を水素と酸素に分解する。そして、その水素を ある膜を通過させ、そこで電子を抽出する。また水素化ナトリウムは水素を安全に保存する。同様の確かな水素保存システムには、他にもさまざまな物質が使われている。
「われわれは、水素の流れを制御している」(Goodshall氏)
水素はかつて未来の燃料と言われたが、現在は、高価な上に非実用的との批判をしばしば浴びている。一方、水素の支持者らは、電池や太陽電気は実用性に欠ける分野で、水素は重要なグリーン燃料となる可能性があると指摘する。
水素は、あくまで特殊な燃料という位置づけだろうが、水素の支持派はあきらめていない。例えば、Horizon Fuel Cell Technologiesは、スイスの湖で使用されているボートの動力源として水素燃料電池の導入を推進している。
また、今から数十年後には、海洋プラットフォームで波や潮汐エネルギーを集め、それらを水素に転換し、その水素を陸地に輸送するようになるとの予測もなされてきた。海上で作られた水素は、位置が(陸地から)遠すぎて送電系統への接続が不可能な場合に利用されることを想定している。また、トヨタやDaimler-Chryslerは水素自動車の研究を続けている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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