米エネルギー省は、水素燃料電池自動車の開発支援とそれを実現する技術の認知度向上のため、大規模な投資を行う計画だ。
同省は米国時間3月30日、燃料電池に関する2つの契約を発表した。1つはGeneral Motors(GM)との8800万ドルの契約で、もう1つがDaimlerChryslerとの7000万ドルの契約だ。いずれも契約期間は5年。
エネルギー省は、今回の契約が技術開発を促進し、水素燃料電池で駆動する自動車に対する世間の関心を高めると期待している。
多くのドライバーは、燃料電池が自動車のガソリンエンジンに取って代わる存在になると考えている。ガソリン価格は近頃急騰しており、現在では平均2ドル15セントまで上昇していると、American Automobile Associationは述べる。
ガソリン価格が急騰する前から、GMやDaimlerChysler、本田技研工業、日産自動車などの自動車メーカーは燃料電池の開発に着手している。GMは次世代自動車Sequelを今週開催中のNew York International Auto Showで披露している。だが、技術開発から水素の供給方式にいたるまで、水素燃料電池自動車には様々な課題があることも、メーカー各社は認めている。
これらの課題こそが、今回エネルギー省が足を踏み入れた点だ。同省では、自動車メーカーのほか、British PetroleumやShellといったエネルギー企業と共同で、燃料電池自動車の普及を阻む問題の解決に取り組んでいく。
GMはエネルギー省との契約の下、4400万ドルを投じて40台の燃料電池車を開発し、ワシントンD.C.、ニューヨーク、カリフォルニア、ミシガンの各州で走らせる予定だと、声明のなかで述べている。これにエネルギー省も4400万ドルを投資する。
DaimlerChryslerは米国における燃料電池自動車の開発に7000万ドル以上を投資する計画だと語っている。
DaimlerChryslerではまた、燃料電池自動車に対する認知度を向上させる取り組みも行っていく。エネルギー省の「Controlled Hydrogen Fleet and Infrastructure Demonstration and Validation Project」というプロジェクトを通して、多くの人に燃料電池自動車を試してもらい、異なる条件下でのパフォーマンスに関するフィードバックを受け付ける計画だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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