ゲイツ氏、無制限のH-1Bビザ発給と、より良い学校教育の必要性を主張--連邦議会にて - (page 2)

文:Anne Broache(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2007年03月08日 15時40分

ビザ不足

 Gates氏は、ハイテク企業で働くことになる人々に対して発給されるビザの数が「圧倒的に不足している」と述べ、「他国と競争するうえで最も力になる人々を閉め出すならば、米国がテクノロジにおける主導権を維持し続けることは、絶望的に難しくなる」だろうと警告した。

 Gates氏は、ドイツ生まれのAlbert Einsteinを引き合いに出し、「米国は昔から、優秀な人々を迎え入れることで国家として繁栄してきた」と述べた。

 ビザの発給数を増加させるために、2006年に複数の法案が検討されたものの、いずれも最終的に承認されることはなかった。議会は既に一時的な対応として、米国の学校で修士以上の学位を取得した外国人を対象として、2万人分までのビザを追加発給することを承認している。

 Gates氏は、議会が承認すべきビザの発給数についてJudd Gregg議員(ニューハンプシャー選出、共和党)に質問されると、自身が何年も前から主張している、発給数は「無制限」であるべきだという考えを改めて述べた。同氏は、「現実的ではないかもしれないが」と前置きしたうえで、「私は、制限が設けられるべきだとは思わない」と述べた。

 Gregg氏は、米国における高度な技能を持つ人々の数に対して制限が加えられるべきではないという考えに対して自らは「100%同意する」と述べながらも、発給数の上限を現状の2倍以上にすることはできないかもしれないと示唆した。

 ビザ発給数の増加は決して広く支持されているわけではない。Programmers Guildといった、米国のコンピュータプログラマーと科学者を代表する権利擁護団体は、この考えに強く反対している。こうした団体は、Microsoftなど米国企業が高い能力を持つ米国人を雇用することに誠実に取り組んできていないと主張し、また、H-1Bプログラムの現在の構造が、米国企業に米国人よりも低賃金な外国人の雇用を可能にさせていると述べる。

 委員会に参加する議員らは、Gates氏からの提案を実質的にすべて受け入れた。

 Gates氏の移民に対する提案について上院議員のTed Kennedy氏(マサチューセッツ州選出、民主党)は、「非常に適切な意見であると思う」と述べた。

 Kennedy氏は、自身の公式文書の中で、米国の移民システムは「崩壊」しており、特に科学、技術、および工学において米国の大学で高い学位を取得した外国人など、「優れた技術を持つ」労働者にもっとビザを発行するような法律が必要であると述べた。Kennedy氏は、同氏が近いうちに提出予定の「包括的な」移民に関する法案に、このような条項を入れる予定であると述べた。

 Kennedy氏は、「米国人がまず雇用されるべきという点については誰もが同意する」と述べた。「しかし、将来われわれの国に貢献し、われわれの国を強化してくれる人々にも門戸を開いておかなければならない」(Kennedy氏)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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