スコットランドエジンバラ発--Microsoft会長Bill Gates氏によると、技術が今後、人々が教育機関を選択する方法を大きく変えていくことになるという。
当地で1月31日に開催されたMicrosoft Government Leaders Forumにおいて、Gates氏は技術がどう教育を改造していくという自身の見解を展開した。
テレビ、ビデオ、およびソフトウェアが教育に非常に大きな影響を与えるだろうと誰もが予想したが、そうはならなかったという過去の事実から、「教育に及ぼす影響を予測する際は、技術に過度な期待をしてはならない」とGates氏は述べた。
とはいうもののGates氏は、教授の講義の受講方法、他の学生らと議論を交わす方法、単位取得のために授業に出席する必要性など、人々が優れた大学や学校を選択する際の基準は、すべて技術によって変わっていくと信じていると述べた。
講義はインターネットを介して無償で配信され、学生は遠隔地からチャットルームで議論を交わし、テストや単位の認定はオンラインで世界中の人々に提供されるようになると、Gates氏は予測する。
教育において「技術がさらなる専門化と発展をもたらすことができる」と同氏は述べた。
教育者は今後も教育において不可欠な役割を果たすという点をGates氏は強調した。その一方で同氏は教育者向けのIT関連のトレーニングを強化し、教育者向けのツールをもっと開発するべきだと述べた。例えば、オンライン教材を利用した、カリキュラム作成のためのソフトウェアなどを同氏は例に挙げる。
同社の教育支援の一環として、MicrosoftはInnovative Teachersプログラム(学校教育の現場に情報通信技術を取り込むことを支援するプログラム)を、ブラジル、カナダ、チリ、フィンランド、ドイツ、アイルランド、スウェーデンを含む11カ国のほか、英国にも拡大することを発表した。
英国では、Microsoftはケント、ノーズリー、ルイシャム、サンドウェル、シェフィールドの地域の政府機関と共同で、教育機関への技術導入を進めている。
Knowsley Metropolitan Borough Councilで児童向けサービスを担当するエグゼクティブディレクタDamian Allen氏は、Microsoftは「技術を利用した教室と家庭の連携において、その運用、学習、通信を改善するための明確なロードマップ」を作成してくれたと述べた。
Government Leaders Forumにおいても英財務大臣Gordon Brown氏は、グローバル化が進む中で英国が競争力を維持するために教育を改善する必要性に触れ、その中で技術が果たし得る役割について述べた。
「技術を活用することにより、すべての人々が教育を受ける機会を享受でき、また、享受すべきであるといえるようになる」とBrown氏は述べた。
同氏は、世界中の人々が以前にも増して互いを身近に感じる国際社会が、日々刻々と現実に近づいており、それに対応して政府は革新を推進していかなければならないと述べた。
「そのためには保護主義になってはならない」と同氏は述べた。「時計を逆に回すのではなく、科学、技術、および創造的な産業にさらなる投資をしていくことだ」(Brown氏)。
Brown氏はまた、技術に詳しい人とそうでない人の差をさらに広げるのではなく、すべての国民を巻き込んで革新していくことの必要性を強調した。
「国民全体ではなく、一部の人々のみを対象とした技術革新では成功するはずはない」と同氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」