GoogleのYouTubeが支配する映像共有市場において、Microsoftは1つの方法にこだわらないようだ。
Microsoftは、同社映像サイト「Soapbox」のテストバージョン公開から1週間後、少なくともある企業1社を買収対象として検討する動きを見せたようだ、と情報筋が述べている。複数の情報筋によると、MSN幹部数名が1月、映像共有サイトRevverのロサンゼルス本社を訪問したという。MSNでエンターテインメントおよび映像サービスを担当するゼネラルマネージャーのRob Bennett氏は、会合を開いたことは認めたが、内容を語ることは避けた。
「MSNの訪問理由は、Revverの技術やスタッフをSoapboxに組み込むのが可能かを見ることにあった」と、両社の会合について詳しい情報筋の1人は述べた。
また、情報筋によると、Microsoftだけでなく、映像共有サイトStage6を運営する圧縮技術企業DivXもRevverを訪問しているという。これらの企業がRevverについて魅力を感じているのは、広告を映像ファイルに埋め込み、その広告が視聴されたことを追跡するための技術だと業界筋は述べている。DivX幹部はコメントを避けている。
今回の件に詳しいある情報筋は、買収に発展することはすぐないと述べており、「現在、Microsoftの関心は薄そうだ」という。
しかし、MicrosoftとRevverとの会合は2つのことを意味する。Microsoftは映像共有を何とかしたいと躍起になっており、苦境にあるRevverは自社の将来を何とかしたいと躍起になっているということだ。
映像制作者への広告収入の分配を最初に始めたことで知られ、YouTubeへの挑戦における急先鋒(せんぽう)と一部で考えられているRevverだが、映像共有サイトとしては訪問者数ランキング20位からも外れるようになっていた。12月には、最高情報責任者(CTO)、3名の共同設立者のうち2名、そして、ハリウッドの有名タレント事務所から7カ月前に引き抜かれたばかりの重役1名が同社を去り、経営陣が再編されている。
もちろん、Revverが抱える最大の問題の1つには、ユーザー生成型市場を掌握するYouTubeの存在がある。ユーザー投稿コンテンツを好む人たちの約半数はYouTubeを利用している。Yankee GroupのアナリストJosh Martin氏によると、YouTubeの競合の多くはRevverをよく知っていたという。
「Revverは2つのうち1つをよく考えるべきだ」とMartin氏は言う。「撤退に向けた戦略か、利益を上げるためのビジネスモデルだ」(Martin氏)
Revverは、他社との会合についてコメントを避けている。しかし、同社CEOであり共同設立者であるSteven Starr氏は声明を発表した。
「Revverを売りにはだしていない」とStarr氏は述べた。「われわれは、正しい場所に正しい時に正しい技術でいると信じている。そして、Revverのサービスを拡張し、配信契約を立案することに注力している」(Starr氏)
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