Advanced Micro Devices(AMD)は米国時間6月13日、マイクロプロセッサ「Alchemy」ファミリの製造を中止し、Raza Microelectronicsに売却する決定を下したことを明らかにした。
AMDによるアナリストとの会合に先立ち、このような動きが近々あるとの憶測は数週間前から流れていた。Alchemyプロセッサは、ハンドヘルド端末やポータブルメディアプレイヤーなど向けの低消費電力設計となっている。同製品が爆発的な人気を得ることは一度もなく、MIPS命令セットを採用することから、同社の製品ラインアップを複雑にしていた。
x86向けのソフトウェアはMIPS命令セットに対応したチップ上では動作せず、その逆も然りだ。AMDの最高経営責任者(CEO)Hector Ruiz氏は、同社とIntelのチップを動作させる命令セットを引き合いに出し、「x86系製品ライン拡大」戦略の必要性に何度も言及していた。
Razaへの事業売却に関する金銭的な条件は明らかにされていない。両社は声明を出し、AMDはRazaと戦略的な関係を構築する取り組みの一環としてRazaに出資する計画であることを明かしている。Razaは、ネットワーキングおよびセキュリティアプリケーション用のプロセッサで既にMIPSアーキテクチャを採用している。Razaは声明で、Alchemyプロセッサがコンシューマー市場でのシェアを拡大してくれると期待していると述べている。
両社さらに、2週間前にアナリストとの会合で発表したAMDの「Torrenza」構想などのプロジェクトを共同で進める計画も明らかにした。Torrenzaは、HyperTransport技術をライセンスし、顧客やサードパーティーのチップメーカー各社が、今後登場するOpteronプロセッサと直接接続可能な各種専用プロセッサを製造できるようにする計画。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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