多くのソフトウェア企業が現在、オフショアでソフトウェアを開発している。しかし、ある調査から、これらの企業の大部分が、経費の上昇や分散するチームの管理という新しい課題に直面していることが判明した。
コンサルティング企業であるSand Hill Groupは2005年、ソフトウェア企業50社の幹部にアンケートを実施した。その結果、オフショアソフトウェア開発が当たり前になってきていることが分かった。調査対象企業のうち、オフショアの開発者を採用しているのは84%で、2年前の63%から大きく増加している。
「単に保守やテストだけではなく、ソフトウェア開発の中核部分もオフショアで行われている。これらの企業の幹部は、以前にも増してオフショア開発に頼るようになってきたと回答している」と、Sand Hill Groupの共同創立者であるM.R. Rangaswamiは語る。
オフショアへの依存度がこれだけ高くなると、その分リスクも増え、期待外れに終わるケースも出てくるとRangaswamiは述べる。
Rangaswamiによると、ソフトウェア企業の多くは、オフショアの開発者を雇用することに期待する点として、コストの大幅な削減を挙げるという。しかし、すべての要素を合わせると、コスト削減は40%ほどしか達成できていないことが分かった。
「ほとんどの場合で満足は得られたようだが、もっと良い結果を期待していたことも事実だ」とRangaswamiは述べる。
Rangaswamiによると、オフショア企業は、価格上昇や、バンガロールなどの歴史あるオフショアの中心地における高い能力を備えた人材の不足に対応するべく、既に行動を起こしているという。需要を満足するために、まだ開発の遅れているハイデラバード、プネ、チェンナイなどのインドの都市でオフショア開発ができる新しい人材を育成し、価格の急上昇を抑制しようとするだろうと同氏は予想する。
同氏はまた、インドには英語を話す人口が中国などの他のオフショア開発地域よりも多いために強みがあるとも述べる。
さらに、ソフトウェア企業は全体的に、オフショアリング化により、分散されたチームを管理できるようにプロセスの改善を迫られているとRangaswamiは語る。シリコンバレーのソフトウェア企業は1カ所に1つのチームが集まって作業してきたため、分散した場所でプログラミングには慣れていない。
Rangaswamiは、ほとんどのソフトウェア企業がオフショア開発を採用しているため、分散された開発グループをより綿密に統合することが、競合他社との差別化につながると考える。
「コストだけの問題だと最初は考えられていたが、それだけではないことが認識され始めた。以前は『われわれ』と『彼ら』という差別意識があった。だが、いまでは、1つの評価指標の下で、1つの目標を目指す、1つのチームという観点が必要だ」とRangaswamiは述べる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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