Lenovoの会長Yang Yuanqingによれば、同社ではCEOの交代による戦略の変更はないという。しかし、アナリストらは、Dellの元幹部をCEOに据える人事について、LenovoとDellの双方にとって問題となり得ると指摘する。
Yuanqingは、LenovoがWilliam Amelioを迎え入れたことを明らかにした。Amelioは米国時間12月20日まで、Dellでアジア地域の業務を統括していたが、今後はLenovoにおいて製品設計やサプライチェーンの効率化など、世界戦略の次なるステップを指揮していく。
Lenovoが掲げてきた3つの目標(成長と利益の拡大/Lenovoブランドの国際化/マネジメントの効率化)は、今後も変わらない。
Yuanqingは、「William Amelioは素晴らしい経歴を持ち、CEO職にふさわしい経験を積んできている。同氏は、Lenovoで次なる計画を指揮するに足る能力を備えている」と述べている。
Lenovoは21日、Amelioが、Stephen Wardに代わって新CEOに就任すると発表した。Amelioは、Dellに入社する前に、IBMのThinkPad部門で数年間働いていた。IBMの同部門は現在、Lenovoに買収されている。
Yuanqingはまた、LenovoとIBMのPC部門の統合を率いてきたことについてWardを称賛している。2004年12月に発表されたこの統合は、2005年5月に完了している。
しかし、アナリストらは、突然のCEO交代がLenovoとDellの双方にとって問題になり得ると指摘する。Wardは業界でも一目置かれる存在だ。LenovoとIBMのPC部門の統合が比較的円滑に進んだのはWardの功績だという人もいるし、LenovoがCEOにIBM幹部を据えたことで多くのIBM顧客は安心感を抱いていたと指摘するアナリストもいる。
IBMコンピュータの購入者には、保守的な法人顧客が多い。統合にまつわる疑問の1つとして、統合後に製品の品質が維持できなかった場合、顧客はどう反応するかということが挙げられる。
かつてはLegendという名前だったLenovoは、国際的なブランド力を築こうと長年努力してきた。だが、品質の問題、ブランド認知度の低さ、内部の財務的問題が、その取り組みの障害となってきた。LenovoがIBM買収以前に中国国外で販売したシステムの台数はわずかなものであった。そして、欧米ブランドが中国に流入したことも、Lenovoの成長を妨げていた。
Endpoint Technologies Associatesの社長Roger Kayによれば、LenovoとWardは今回のCEO交代について満足しているという。しかし、この突然の交代劇は、WardとLenovoの間に軋轢があったことをうかがわせる。Lenovoは近ごろ、ニューヨーク州にある同社の新本部に何人かのマーケティングアナリストを招き、マネジメントの問題について協議を重ねたとKayは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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