Googleの電話に関する情報収集は、伝説の未確認動物探しと同じで、雲をつかむように当てのない作業だ。
ブログSearch Engine Landに掲載されたわかりやすい時系列のまとめによると、Google電話(略して「Gphone」)をめぐるうわさは2004年の終わりごろから流れはじめ、この2、3カ月はこの話題で持ちきりだという。
10月24日(米国時間)のアナリスト向けイベントAnalyst Dayで、Googleが何らかの示唆を与えるかもしれないとの憶測があったが、これまでのところ、Googleの幹部と広報担当者はコメントを控え、同社が開発に取り組んでいると大勢が信じている製品の名称がGphoneかどうかという確認すら避けている。
「火のないところに煙は立たず」ということわざ通りのことも多い。それでは、この場合の「煙」やGoogleの特許は、たとえばどんなことを示唆しているのだろうか?Appleの「iPhone」と違って、Gphoneはたぶん文字通りの意味でのハードウェア機器ではないだろう。それよりも、Google以外の企業が製造した電話でGoogleサービスを利用できるようにする、補助的なインフラとソフトウェアの組み合わせである可能性が高いと、専門家は指摘する。
GoogleはおそらくFrance Telecomの携帯電話部門であるOrangeや日本のKDDIと提携すると、「The Google Legacy」と新作「Google Version 2.0: The Calculating Predator」の著者であるStephen Arnold氏は予想する。Arnold氏がGoogleの申請した特許を調査したところ、携帯電話関連の特許が12件以上あったという。
「参照用の機器としてのGoogle電話は、たぶんいくつも作られるだろう。『検索する必要のない検索』(ユーザーが求めている可能性のある情報を予測する情報サービス)、地図作成、スケジュール管理サービスなど、さまざまな機能を提供するため、Googleの本社ビル(Googleplex)で開発されるはずだ。Googleは市場の動向を見て、いろいろな方向に進める状態にある」と、Arnold氏はCNET News.comに語った。
最近の調査メモによると、UBSのアナリストであるArthur Hsieh氏は、台湾の携帯端末メーカーHTCが、2007年末までにGphoneオペレーティングシステム(OS)搭載の携帯電話を開発者向けにおよそ5万台出荷すると確信しているという。140万台近くに達するiPhoneの販売台数と比べたら微々たるものだが、もちろん、これは手始めに過ぎない。
Googleが広告収入ベースの電話に関する特許を申請していることから考えると、Gphoneは広告収入モデル型のデバイスとなりそうだとArnold氏は語った。Googleの最高経営責任者(CEO)Eric Schmidt氏が、広告の導入によって電話のコストを抑えるという考えに興味を示したうえに、同社は現在すでに、携帯アプリケーションに広告を提供していると、Sterling Market Intelligenceの主席アナリストGreg Sterling氏も指摘する。
広告付きの「検索、地図、そして『Google Talk』のインスタントメッセージングようなコミュニケーション」といったアプリケーションを模索しているのだとして、Forrester Researchのアナリスト、Charles Golvin氏は「広告の販売こそが、Googleのビジネスモデルだ」と語った。
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