電気通信事業者協会(TCA)の発表によれば、2008年9月時点で日本国内における携帯電話の契約数は1億483万3600件となり、対前月比0.4%増と、わずかではあるが増加している。日本全国の多くの人が、携帯電話の契約をしているという状況下で、さまざまな角度から携帯電話ユーザの実態調査が行われている。
2008年6月にMMD研究所が行った「第2回検索サイトに関する利用動向調査」によると、携帯電話の検索サイトを利用したことがあると回答したユーザーは89.7%におよんだ。この結果から、多くの携帯電話ユーザーにとって、携帯電話が単なる通話のためのツールではないことが容易に推察できる。
筆者も例外なくこうしたユーザーの1人である。休日、繁華街へ出かけて付近の喫茶店を検索。平日は、最新ニュースの気になるキーワードを調査。クライアントへの訪問直前には、会社情報などを確認。このように、さまざまなシーンにおいて携帯電話端末から検索エンジンを利用して調べものをする。
ウェブ上に存在するサイトと、情報を欲しがっているユーザーをダイレクトに結ぶ役割を担っているのが検索エンジンであるが、携帯電話の検索エンジンには大別すると「キャリア公式検索エンジン」と「一般検索エンジン」が存在する。
一般検索エンジンはどんなキャリアの携帯端末からも共通して利用できる検索エンジンであるが、代表的なものの1つに、Googleモバイルがある。同検索エンジンの検索結果には、携帯電話サイトの検索結果とPCサイトの検索結果の一覧が表示される。
自分の求める情報が、携帯電話サイトの検索結果に表示されず、PCサイトの検索結果内に表示され、アクセスしてみるとページが分割されたり、文字サイズがかわったりしているという経験はないだろうか?
これは、「Google Wireless Transcoder」を経由してモバイル端末にページが表示されるために起こる現象である。
つまり、PC用のぺージがGoogleの解釈によってモバイル端末に表示されるため、ページが分割されたり文字サイズが変わったりするので、ユーザビリティやデザインレイアウトを損なってしまう可能性があるということだ。
携帯電話はPCと比較して、文字入力やページ送りといった操作性において劣るのにもかかわらず、その小さい画面にレイアウトの崩れたページが表示されることで、モバイルユーザーはなおさらストレスを感じてしまう。
こうした状態であれば、せっかくPCサイトの検索結果が表示され、携帯電話からアクセスされてもページの閲覧はユーザーにとって有意義とはいえない。
GoogleモバイルにおけるPCサイトの検索結果という導線を最適化することで、検索ユーザーとの接触機会の最大化を図ることが重要だ。
そのためには、「Mobile Link Discovery」に対応しておく必要がある。これは、PCサイトのメタデータにモバイルサイトのURLを埋め込んでおくことで、モバイル検索エンジンにおけるPCサイトの検索結果へアクセスした場合でも、前述のTranscoderを介さずにモバイルサイトが表示されるようになる。ちなみに、Yahoo!モバイルもMobile Link Discoveryに対応している。
こうすることで、携帯電話ユーザーとの接触機会が広がり、かつ、PCで行ったSEOも有意義なものとすることができるので、ぜひ対策をおすすめしたい。
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