--新興市場に対する今後の計画を教えてください。PIC(Personal Internet Communicator)の路線を継続するつもりですか。それとも、夢の100ドルPCに取り組んでいるのでしょうか。
PICは当社にとって初めての、まったく新しい試みでした。PICはこれからもさまざまな形で、新世代の製品に取り込まれていく予定です。ロードマップにはPIC 2とPIC 3が記載されています。これらの製品はいずれも、(コンピューティング)パワーと価値を高め、低価格化を実現するものとなります。
あと3年もすれば、100ドルPCは夢ではなくなるでしょう。実に多くの人が忘れてしまっているようですが、今は無料で配られている携帯電話も、初期には3000ドルから4000ドルもしました。それと同様の展開が、コンピューティング/通信機器の世界でも起こると考えています。
忘れてはいけないのは、新興市場向けに開発された製品はまだないということです。既存のデスクトップPCやノートPCをスケールダウンさせて新興市場に持ち込んでも、うまくいきません。当社にはx86に関するノウハウと能力があり、これを活かして、新興市場向けのPCを開発するつもりです。まずはPICですが、これは始まりにすぎません。あと3年もすれば、新興市場向けに100ドルのノートPCを投入することも不可能ではなくなると思います。
--100ドルのノートPCですか。
そうです。
--競争に話題を移すと、Intelが日本の公正取引委員会から勧告を受けたことは、AMDにとっては勝利なのでしょうか。
今回の勧告は、顧客と消費者にとっての勝利でした。この勧告の最大の目的は、自由でオープンな競争を阻害しているあらゆる障害を排除することでした。
われわれは、日本だけでなく世界中でこうした障害が排除されることを願っています。
--Intelは同様の行為をその他の市場でもやっているということですか。
今回、日本で指摘されたIntelの行為と、公正取引委員会が発見した証拠はおそらく、世界市場でのIntelのやり方を示唆または代弁していると思います。
--Intelは「Intel Inside」キャンペーンを使って、OEM企業を押さえ込むのでしょうか。
独占企業にはいくつかの禁止行為があり、その内容は明確に規定されています。地域によって多少の差はありますが、独占状態を利用して、他者を人質に取るような行為は禁止されているはずです。このような行為は改める必要があると思います。
--AMDが「Intel Inside」のようなことをする予定はないのですか。
ありません。われわれが目指しているのは「inside(コンピュータに搭載されること)」よりも、「customer's side(顧客に寄り添うこと)」だからです。
--買収に関心はありますか。
当社のx86アーキテクチャを補完する機会はあると思います。ですから、買収などの可能性は随時検討していくつもりです。
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