Advanced Micro Devices(AMD)は今週、新興市場の人々がインターネットにアクセスできるよう設計した、低価格コンピュータの青写真を発表する。
「Personal Internet Communicator(PIC)」という名前が与えられたこのマシンは、年間所得が1000〜6000ドルの家庭向けに考えられたもので、AMDの関係者によると、まず初めにインドと中南米のメーカー3社から、この設計に準拠したPCが発売されるという。
PICの予想価格は約249ドル(ディスプレイを除く)。AMDはこの低価格を実現するため、自社のGeode x86プロセッサ、128MバイトのSamsung製メモリ、10GバイトのSeagate製ハードディスクなどをこのPCに搭載することにした。また同社の仕様によると、OSはMicrosoftのWindows CEをベースにしたもので、Windows XPに対応する機能拡張が加えられているという。これにより、グラフィカルインタフェース(GUI)、電子メール、ウェブブラウザ、インスタントメッセージ、ワードプロセッサなどが利用可能になる。PICマシンは、マルチメディアファイルの再生や、PDFやPowerPointファイルの表示も可能だ、とAMDは説明している。
AMD広報担当のSteve Howardによると、「(PICマシンの)パフォーマンスはかなり強力だ。25秒で起動し、一旦起動すれば、ブラウザは非常に小気味よく動作するし、ワードプロセッサや表計算ソフトの処理速度も、既存のPCと比べて遜色ない」という。
AMDは、2015年までに世界の人口の50%がネットにアクセスできるようにする「50x15」という取り組みを進めているが、PICはその一環として投入される。同社によると、現在はまだ全世界で約10%の人々しかネットにアクセスできていないという。コンピュータやインターネットの次の大市場--つまり中国、インド、ロシアといった国々への売り込みは、コンピュータ業界の大手各社にとって大きな焦点となっている。そして大半の大手企業は、低価格PCが自社製品の売上拡大に役立つと考えているようだ。
たとえば、Microsoftは低価格PC実現に向けてWindows XPの廉価版を開発した。同社のいわゆるWindows XP Starter Editionsは、すでにいくつかの市場での発売されることが明らかになっている。
Intelも、新興市場向けの低価格プロセッサ開発を検討したことがある。同社に近い情報筋によると、Intelはこれまで「Shelton」(コード名)というプロジェクトの一環として、特別な低価格プロセッサとマザーボードのバンドル製品を販売してきているという。
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