日本放送協会(NHK)と日立製作所は8月31日、画質の劣化を抑えながら識別情報を「電子透かし」として埋め込めるトランスコーダを共同で開発したと発表した。画質劣化が少ないというメリットをいかし、高解像度から低解像度の動画ファイルに変換する際に、利用できるとしている。
今回開発された電子透かし技術は、知覚できない程度に画像を変更することで識別情報を動画ファイルに埋め込むというもの。映像が単調な領域や輪郭部を避け、絵柄の複雑な領域に多くの識別情報を埋め込むことで、画質の劣化を低減できるとのことだ。
電子透かしを埋め込まれた動画ファイルは、専用ソフトにより識別情報を把握できるため、データ流出対策としての利用も期待できるとのこと。また、変換した動画ファイルを異なる解像度のファイルに再変換する場合でも、識別情報の検出は可能という。
NHKと日立製作所は、今後、開発したトランスコーダを活用し、映像データの効率的なセキュリティ管理を実現する放送映像のファイルベース化を進めていくとしている。
電子透かしとは、映像を作成した場所や日時などの識別情報を埋め込み、その情報を検出する技術。情報の埋め込みと検出には、専用のソフトウェアが必要のため、第三者による埋め込み情報の除去、改ざんを防止する。
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