マイクロソフト、ソフト販売やMSNで中国市場にさらに本腰

 Microsoftの中国法人が、2006年末から中国のR&Dに多額の資金を投入したのに続き、世界の中でも巨大市場である中国にさらなる力を入れ、製品を売り込もうとする動きを活発化させている。

 まず中国でも大々的に発売したものの、海賊版の存在の前に販売が伸び悩むWindows Vistaの対策として、各PCメーカーに対し、メーカー製ノートPCにWindows Vistaをバンドルしない場合、そのPCメーカーへのMicrosotによる販売サポートを一切行わないようにするという強攻策を発表。またPCパーツで組み立てたショップPCを販売する店には、製品販売時にWindows Vistaをオプションとして客が選択できるようMicrosoftがバックアップするようだ。この2つの対策でWindows Vistaの販売を強化する。

 次に苦戦が続くMSN中国にもMicrosoftはメスを入れる。1つ目にMSN中国はMSN事業においてアジアパシフィックの管轄下にあったが、市場の大きさを配慮し、中国本土に香港、台湾を加えた地域として大中華区を新設。アジアパシフィックから独立し、直接米国のMSN本部と支持や報告をやりとりする。2つ目に人気サイトと提携し、優良なコンテンツを提供する。具体的には今後中国の著名求人情報サイトや旅行予約サイトと提携を行い、MSN中国に求人情報の掲載や旅行コンテンツを充実させるそうだ。3つ目として上海に、MSNに絞ったR&Dセンターを創設する。ちなみに海外のMSNに絞ったR&Dセンターはこれが初めてとなる。MSNのサービスは中国での利用者が2000万人とも言われているが、中国における同サービスで最も人気のQQの利用者数は億の単位であり、大きく差が開いている。今回のコンテンツの拡充でMSNの利用者を増やし、中国内の人気サービスとの差をつめられるか。

 余談となるが、中国でMySpaceのサービスが近々開始されるが、中国におけるMySpaceのサービス立ち上げの陣頭指揮を取っているのが、MSN中国の総裁を前職とする羅川氏だ。MSN中国のコンテンツは米国や日本のMSNにはない、中国人好みのコンテンツ構成となっており、同じくオリジナルが米国のGoogle中国よりも遥かに中国人にあったコンテンツを提供する、いわゆる本土化が進んでいる。MySpaceにおいても羅川氏はかなり本土化させたMySpaceを提供すると予告している。

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