Microsoft中国法人は9月27日、今後5年以内に中国での戦略の展開と、ソフトウェアパッケージの開発にそれぞれ1億ドル投資し、さらに中国内の研究開発に1億ドルを毎年投入して、8万人の各種ソフトウェアのエキスパートを育成することを発表した。
研究開発への投資の具体的な内容は、2007年度は500名の研究開発要員を増員し、3年後から5年後の間には中国の研究開発グループのスタッフを1100人増加し3000人にするというものだ。増員の半数は中国全土の卒業生から募集するため、学生の便宜を考え中国各地にテクニカルセンターを20に増やすとしている。
同社の中国での研究開発の力の入れ様を簡単に説明すると、1998年には同社の海外で2番目となるリサーチセンターとなるMicrosoft亜州研究院(Microsoft Research Asia:MSR Asia)を立ち上げたのを筆頭に、2003年にはMicrosoft亜州工程院(Microsoft Asia Advanced Technology Center:Microsoft Asia ATC)を、2006年1月にはMicrosoft中国研究開発グループを、9月18日には中国政府と共同でビデオゲーム研究開発機構を立ち上げた。いずれも中国向けではなく、世界のMicrosoftに向けた研究開発を行う。中国をMicrosoftの一大R&Dセンターのひとつにしようとしていることは想像できよう。
はじめに紹介した莫大な額の投資にはWindows Liveなどのサービスへの投資も含まれる。9月にMicrosoft中国法人と、中国でNTTのような存在の中国電信(China Telecom)が戦略的提携を行った。中国電信が運営するポータルサイト「互聯星空」の1コンテンツである検索サイト「114捜索」にMicrosoftのWindows Live検索エンジンを搭載する。互聯星空には各省に特化した地方版の互換星空のサイトが400余りあるが、これら地方版サイトにもWindowsLive検索エンジンを利用した検索窓を配置する。この提携に対し2100万ドルの保証金をMicrosoftが支払った。
中国でのあまりの海賊版の普及ぶりに、Microsoft幹部がメディアに対し新製品を中国に投入することに疑問のコメントを投げかけたことすらあったが、今回発表された投資の一部にはWindows VistaやOffice 2007などのソフトウェアの中国でのリリースのための資金も含まれていることが発表の中で明らかになった。中国では引き続きMicrosoftの新製品が発売されるようだ。
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