Appleが、できることなら使われる状況が起きないでほしいと考える新機能を「iPhone 14」に搭載した。それが衛星通信機能だ。「衛星経由の緊急SOS」と呼ばれるこの機能は、従来の携帯電話ネットワークやWi-Fiサービスが利用できない時に、緊急連絡先に通報できるように作られたものだ。
この機能は衛星通信会社のGlobalstarとの提携により同社の衛星ネットワークを利用することで、他の接続手段が利用できない時に「メッセージ」アプリから緊急サービスや連絡先にテキストメッセージを送信できる。
「iMessages」ではメッセージを送る相手がAppleユーザーの場合は青色、「Android」ユーザーの場合は緑色の吹き出しでチャットが表示されるが、衛星経由の緊急SOS機能を利用して送信されるメッセージは灰色の吹き出しで表示される。
メッセージの長さは制限され、相手が「おやすみモード」を有効にしていても、緊急連絡先の電話番号に自動接続される。人里離れた場所を訪れている人や、住んでいる場所が山火事やハリケーンなど、深刻な自然災害の被害を受けている人には役立つ機能だろう。
またiPhone 14には、端末を衛星の方に直接向けて接続しやすくする機能も搭載される。接続されると、空が開けている場所にいれば、15秒以内にメッセージが送信されるという。ただしそれ以外の場所、例えば草木がうっそうと生い茂っているような環境では、数分かかる可能性がある。
このサービスは北米で11月から提供予定で、iPhone 14の購入者は2年間無料で利用できる。2年経過後の料金は不明だ。
Appleは以前も、2021年モデルの「iPhone 13」向けにこの機能に取り組んでいるとうわされていたが、この時は実現しなかった。同社はこれにより、スマートフォン向けの新たな接続機能をめぐって衛星通信会社との提携を発表した、最新の大手テクノロジー企業となった。iPhone 14により、この新たなモバイル空間をめぐる競争で、同社はいち早く消費者向けサービスを開始する企業にもなった。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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