2年前、Appleは、新型コロナウイルスのパンデミックが製造に深刻な影響を与えていることをいち早く警告した企業の1社だった。同社は今回、状況が改善していることを示す最初の兆候を提供してくれるかもしれない。
Appleは米国時間4月28日の取引終了後に、第2四半期の決算を発表する予定だ。Apple幹部らは通常、四半期決算発表の場で、自社製品がどれだけ人気を集めているかを語りつつ、次の大ヒット製品について示唆する。しかし、この1年間は、需要に応じた数の「iPad」と「Mac」を製造できておらず、数十億ドルもの潜在的売上高を失っているとして、警告することも増えていた。
コロナ禍のAppleのガイダンスは前向きなものではなかったが、Yahoo Financeが公表した調査結果によると、1~3月期の業績に対するアナリスト平均予測は、売上高939億ドル、1株あたり利益1.43ドルとなっている。1株あたり利益は前年同期2%増、売上高は約4%増に相当する。
Appleがその予測以上の業績を上げるとすれば、その最大の要因は「iPhone」とそれに関連するアクセサリーである可能性が高いと、アナリストらは述べている。 MacとiPadの需要が過去最高水準に高まっているにもかかわらず、そう言えるという。
「3月までの四半期を通してiPhone 13の需要は予想より高い水準を維持したと考えている」と、Morgan StanleyのアナリストであるKaty Huberty氏は先週、投資家宛てメモに記した。「より広範な市場が低迷する中で、中国のiPhone需要は顕著に高かった」(同氏)
Appleの発言はどのような内容であったとしても、ハイテク業界の指標とみなされる可能性が高い。特にコロナ禍でコンピューター、タブレット、カメラなどの製品の需要が急増する中で、ハイテク業界は供給不足の問題に悩まされている。
長引く供給不足の問題は、世界経済全体に波及しており、自動車から医療機器にいたるまでのあらゆるものの製造に遅れが生じている。供給の制約によって価格も上昇しており、インフレ要因になっている。
Appleなどハイテク企業は、米国外での出荷や製造の遅延を解消するために米国での製造を増やすことを宣言しているが、そうしたプロジェクトの多くが完了までにまだ何年も要する。その間に、一部のチップの供給状況は改善されている。
ロシアによるウクライナ侵攻で始まった戦争の影響に世界中が苦慮する中で、アナリストらは、Appleの28日の決算発表からさらなる兆候を読み取ろうと身構えているに違いない。中国におけるコロナ感染者数の再拡大によるロックダウンで、上海などの都市の港が閉鎖されていることが、出荷の遅延にさらに追い打ちをかけている。
BernsteinのアナリストであるToni Sacconaghi氏は25日の投資家宛てメモで、コロナ禍の顕著な特徴だった消費者の支出は減速傾向にあると述べた。「成長の減速、高いインフレ率、ロシアとウクライナの戦争に関連する地政学的な不確実性により、消費マインドは低下傾向にある」としている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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