新型のスマートフォンを地面に、しかも故意に落とすのは、米CNETで伝統的に続いているテストだ。となれば、5G対応の新しい「iPhone SE」について、Appleが「スマートフォンの中で最も頑丈なガラス」をうたっている以上、早速試したくなるのは当然だろう。
本機は2020年発売のiPhone SEのアップデート版だが、変更点のほとんどが内部に関するものだ。本体のデザインは、復活したホームボタンも含めて、2020年モデルや「iPhone 8」から変わっていない。
米CNETのPatrick Holland記者によれば、今回のiPhone SEは、慣れ親しんだデザインの「iPhone」を低価格で入手できるうえに、ガラスの強化や、「iPhone 13」と同じ「A15 Bionic」プロセッサーの採用などの改善が施されている。ただし、「Face ID」や「MagSafe」といった新しい機能は搭載されていない。
耐久性を気にする人にとっては、ガラスの変化が最も重要かもしれない。といっても新素材が使われているわけではなく、iPhone 13および「iPhone 12」シリーズの背面に使われたガラスが前面と背面に採用されている。
つまり、新しいiPhone SEの前面ガラスは、iPhone 12およびiPhone 13シリーズの前面で採用されている「Ceramic Shield」ではなく、それ以前のシリーズのガラスが採用されているということだ。Ceramic ShieldについてはiPhone 12の落下テストですでに確認している。ディスプレイ部分はほぼ無傷だったが、背面には何本かひびが入った。
画面素材の違いは、テストを始めてすぐに現れた。
落下テスト1では、iPhone SEをポケットくらいの高さ、つまり地上からおよそ3フィート(約90cm)くらいの高さに構え、画面を下にして落とした。
人によっては、この時点でテストの終わりを宣言するかもしれない。画面を覆っていたガラスには、上から下まで無数のひびが入ったからだ。画面はまだ機能してはいるが、触ったらおそらく指が切れるぐらいのギザギザができていた。
前面はどう考えても破損という結果になったが、背面はまだ新品同様なので、テストを続行することにした。
落下テスト2では、約90cmという高さを維持して、「(Product)Red」の輝く背面を下にして落とした。少なくとも、そう落ちるように試みた。
最初のトライでは、アルミニウムフレームの上端を下にして落ち、筆者の足元まで転がってきた。フレームに少し引っかき傷ができただけで、背面のガラスには損傷がなかったので、やり直しを宣言する。私のテストなのだから、私のルールで進める。
やり直しの落下テスト2は、もう少し正確だったが、衝撃のほとんどは本体側面に吸収されてしまった。
この時点で、背面で確認できるのは、カメラレンズ付近の小さなひびと、縁のあたりについたわずかな引っかき傷だけだった。既に3回落としたことを考えれば、悪くない状態だ。
前面の損傷は悪化している。ひび割れは画面全体に広がった。右下隅から、ガラスの小片が欠け落ち始めているが、それでも画面はまだ正常に機能する。
ここまでに得られた教訓は、iPhone SEを落とすなら背面から落とそう、というものだ。
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