フードテックベンチャーのグリーンカルチャーは2月9日、植物肉「Greenかつ」のプロトタイプを開発したと発表した。外食・中食向けに5月をめどに発売するとしている。
これまでにも植物肉を使用したかつは存在したが、割れない30cmの大判かつを再現でき、さらにはヒレかつのような肉質の繊維感、量産化できる技術を特徴とする。
グリーンカルチャー 代表取締役の金田郷史氏は、「ここまで大きなものはない」と自信を見せる。
「市場には似たような製品があるが、大きくするのは非常に難しい。繊維感を持ちながら大きな肉を作ろうとすると、大きな大豆タンパクが必要になるが、大きな大豆タンパクだけだとくっつかない。大きな大豆タンパクと小さな大豆タンパクの配合を工夫することで、30cmであっても割れない肉を作れる。肉の香りは、食べたときにじんわりお肉の香りがするような香り付けをしており、そこがかつを思わせる特長。量産化は、四角にしたい、丸くしたい、パンにはさむので薄くしたい、といった需要に合わせて変更できる」(金田氏)
価格は、大量生産ができれば豚ヒレと同価格程度を見込んでおり、量産化できなければ豚ヒレの1.5~2倍程度の価格になる見通し。衣がついた状態で提供し、「揚げるだけ」の状態で納入する。一部の企業と、かつ丼やかつ重として提供する話が進んでいるという。
プラントベースの植物肉は、米国のビヨンドミート、インポッシブルフーズを皮切りに近年マーケットが急拡大している。
日本国内でも、コロナ禍における健康志向や環境に対する意識の高まりもあり、2021年4月から同社が外食事業者向けに販売した「Green Meat」は、「麺屋武蔵」「パレスホテル東京」などで採用されるなど広がってきている。
グリーンカルチャーは、畜肉代替にとどまらずあらゆる動物性食品の再現を目指している。新たなラインアップの投入により、健康と地球環境といった社会問題の解決につなげたいとしている。
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