「Facebook」を運営するMetaは、国際的な合意がないためにデータを欧州連合(EU)から米国に移管できない場合、Facebookや「Instagram」を含む同社の製品とサービスを欧州で提供できなくなる可能性があると、先週の年次報告書の中で警告した。
Metaの広報担当者は米国時間2月7日、「大西洋を横断するデータフローを長期にわたり保護するための、明確で世界的な規則」が企業には必要だと述べた。
欧州では、EU全域にわたるインターネットユーザーを保護するための厳しいプライバシー法が定められているが、これがMetaなど米ハイテク企業にとって問題となっている。これらの企業は、データ移管に関する国際協定に基づいて、米国にある自社のデータセンターにデータを転送、保管、処理している。しかし、データ移管に関するEUと米国の枠組み「プライバシーシールド」は、2020年7月に欧州司法裁判所が無効と判断した。
標準契約条項(SCC)という枠組みに基づき、新しい協定が締結されるまでの間は、データ移管の続行が許可されている。しかし、アイルランドのデータ保護委員会(DPC)による2020年8月の決定により、このプロセスまでもが危機にさらされている。データ移管にSCCを適用することの合法性に関する最終判断は、今後数カ月のうちに下される予定だ。
EUと米国のデータ移管の行方が不透明であることから、Metaは事業を継続する上で、SCCと新規協定のいずれにも頼れなくなることを懸念している。そうした背景から、同社は年次報告書の中で、「FacebookやInstagramを含む当社の最も重要な製品とサービスを欧州で提供できなくなる」恐れがあると警告した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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