Meta(旧Facebook)はメタバースで何を目指すのか--担当VPに聞く(3)

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 編集部2021年11月19日 07時30分

 第1回第2回に引き続き、Meta(旧Facebook)のメタバースグループ担当バイスプレジデント、Vishal Shah氏へのインタビュー内容を整理した上でお届けする。

——つまり、新たな空間では人がホログラムで表示されたり、ウィンドウがポップアップしたり、アニメキャラになったり、ということでしょうか。私がイメージしているのは、ビデオゲームでいう「スキン」です。服もありますが、他にもいろいろな要素がありますね。ゲームのように、アイデンティティーの表現にコマースが活用されるようになるのかもしれません。

 そのとおりです。ある面では、それは意図的な行動となって表れてくるでしょう。つまり、自分から店やマーケットプレイス的な場所に行って、買い求めるようになるということです。あるいは、どこかで偶然に目にして、「あれは何? 買えるの?」というパターンもあるかもしれません。現在のエコシステムにあるような「限定品」も登場するかもしれません。

Facebook
提供:Facebook

 コマースは、特に作り手には刺激的な機会をもたらすと思います。考えてみてください。本当に面白いもの、ワクワクするものを作れる人が、自分の作品を世界中に配信し、人々に買ってもらい、それで生計を立てることができる。これは、すごいことです。こういったことは現在の世界ではなかなか難しい。特に形のある商品の場合は困難です。

——メタバースグループは、Metaという社名が発表される前から存在したのですか。このグループの中心はあなたですか。あなたがMetaのキーパーソンなのですか。それとも、メタバースグループは特定の問題だけに取り組むグループで、Metaの他のグループと連携しているのでしょうか。

 広い意味で言えば、私たちは全社を挙げて、先ほど話したような未来の実現に、さまざまなアプローチで取り組んでいます。私自身もメタバースグループではない、ハードウェアを担当するチームと密接に連携し、チームが作ろうとしている未来の製品について一緒に考えることがあります。

 私のチームは、主にソフトウェアを扱っており、新しい体験、プラットフォーム、そして人々が経験するものを構築しています。しかし、これは1つのチームが単独で構築できるものではなくなりつつあります。あなたが指摘されたように、連携が必要になっているのです。社内でもアプリ間の連携をとったり、エコシステム全体で新しいことに取り組んだりしています。私たちはプラットフォームというものをMetaにとどまらない、もっと広いものとして捉えるようになっています。……今日はどうもMetaとFacebookがごっちゃになるのですが、ともかく、これはずっと前から私の頭の中にあったものです。(笑い)

——以前、「Meta」という商品名のARヘッドセットがありましたが、FacebookはMetaという名前を買ったのですか。それとも以前から所有していたのでしょうか。

 今回のような社名変更が数週間の準備ではできないことは想像がつくと思います。まあ、できるという人もいるかもしれませんが……。一部の準備は以前から進んでいました。先ほども言いましたが、2019年が始まりの年だったと思います。当時はブランディングの観点から、当社がFacebookアプリだけではないことを示したいと思っていたわけですが、その後も変化は着実に進んでいました。新しい社名は、社内でもできる限り秘密にしてきました。こうした情報は外部に漏れがちですからね。

——今後、「Meta」はどのような文脈で語られることになるのでしょうか。

 まず申し上げたいのは、私たちはMetaを消費者に向けたブランドにしたいと考えているということです。Metaは、人々が知ることも考えることもないような、裏に控えた親会社ではありません。当社が展開し、すでに多くの人が関わりを持っている既存ブランドを保証するものというのでしょうか。実のところ、これまでの「Instagram from Facebook」という表記は、「from Facebook」の部分の「Facebook」を会社ではなくアプリだと思われることがあり、やや混乱が生じていました。

 当時は、InstagramやWhatsAppはFacebookという企業が出しているアプリだと知ってもらうことが重要でした。今後は、そうした保証的な意味でMetaが使われることもあるでしょうし、サブブランドやハードウェアの文脈でMetaが語られることもあると思います。この点につては、私よりもブランドスキームに基づいた詳しい回答ができる人がいると思いますが、ともかく重要なのは、Metaは消費者に向けたブランドだということです。

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