Facebookは、2021年の第1四半期にFacebook上で最も多く閲覧されたコンテンツに関するレポートを、自社の印象をおとしめる可能性があるとの懸念から公開しない決定をしていたという。The New York Times(NYT)が米国時間8月20日に報じた。
NYTはFacebook社内のメールを基に、Facebookの最高マーケティング責任者兼アナリティクス部門のバイスプレジデントを務めるAlex Schultz氏とその他の幹部らが、レポートの結果が自社のイメージを傷つけるかどうかを話し合ったと報じた。レポートによると、第1四半期に最も多く閲覧されたリンクは、South Florida Sun Sentinelが報じ、後にChicago Tribuneが再報した記事で、そのタイトルは「『健康な』医師が新型コロナウイルスワクチンの接種2週間後に死亡;米疾病予防管理センター(CDC)が原因を調査中」だった。極右メディアのThe Epoch Timesも、多く閲覧されたFacebookページとして19番目となっていた。
NYTが報じた新事実は、対立を招くコンテンツがFacebook上で広く拡散しているという懸念に対処するのに役立つデータを、同社が選んで公開しているのではないかという疑問をもたらすものだ。Joe Biden政権および他の政治家らはFacebookに対し、ワクチン接種をためらわせるような新型コロナウイルスの誤情報への対策を強化するよう促している。
Facebookにコメントを求めたが、回答はなかった。同社の広報担当者であるAndy Stone氏は、「修正が必要な点がいくつかあったので、結局公開は差し控えた」とツイートし、最も読まれた記事は権威ある報道機関であるChicago Tribuneから出たものだと指摘した。NYTの記事を受けて、Facebookは21日に第1四半期のレポートを公開している。
Facebook幹部らは以前、傘下のデータ分析プラットフォームCrowdTangleからもたらされた情報が右翼系サイトとの強い関わりを示していることについて、懸念を示したと報じられていた。同社は18日、第2四半期に米国のFacebookでどのドメイン、リンク、ページ、投稿が最も広く閲覧されたか、そのレポートを初めて公開していた。
第2四半期中に最も多く閲覧されたドメインはYouTubeだった。リンクではPlayer Alumni Resourcesで、ページでは国際連合児童基金(UNICEF)が最も多く閲覧された。最も多く閲覧された投稿はあるモチベーショナルスピーカーが投稿した画像で、文字の羅列の中から最初に見つかった単語は何かを尋ねるものだった。
同社幹部らは会見で、Facebookがこのデータを公開したのは透明性に対する包括的な取り組みの一環だと述べていた。しかし、Facebookで製品マーケティング担当のバイスプレジデントを務めたこともあるBrian Boland氏をはじめ、一部の人々は、データが限られており、「Facebookが約束する透明性をもたらすには至っていない」と述べ、「役に立たない」としている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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