ソーシャルメディアで、購入したばかりの新車やヨットについて投稿している人に伝えておきたいことがある。富を誇示すると、厄介な問題を招いてしまう可能性がある。高価なシャンパンのボトルや異国情緒にあふれた休暇の写真を投稿する理由は、幸運を見せびらかしたいという欲求以外にあり得ないと思えるかもしれないが、常にそうであるとは限らない。
人々がオンラインで富を示したがる理由、それが他者に与える印象、そして、プライベートジェットから投稿すること(特にそれが自分の所有物でない場合)の影響については、まだ解明されていないことがたくさんあるようだ。
「ソーシャルメディアが登場する前は、富裕層の方がより多くのものを持っているという一般的な理解があった」と話すのは、PR会社Small Girls PRの戦略担当バイスプレジデントを務めるJasmine Teer氏だ。「ソーシャルメディアでは、私たちが何を利用し、誰をフォローしているかに応じて、物質主義と格差を示す投稿が休むことなく次々と表示される」
(パンデミック下では特に)多くの人が生き延びることにさえ苦労している世界とよく対比されるこうしたイメージの数々は、多くの反発や否定的な意見を招くこともある。怒りを買ってしまう理由を理解するのは、難しいことではない。シンクタンクのUrban Instituteのデータによると、1963年から2016年の間に、富の下位10%に属する家族では、平均で、資産が全くない状態から1000ドル(約11万円)の借金がある状態に転落したという。それとは対照的に、上位1%の家族は資産を7倍に増やしている。
自らの生活と一般人の生活の格差に無自覚なことが原因で、有名人が炎上することは、よくある。番組司会者のEllen Degeneresさんは2020年4月、豪邸の自宅での隔離生活は刑務所にいるみたいだと不満を漏らした。モデル/テレビパーソナリティーのChrissy Teigenさんは2021年2月、1万3000ドルのワインを誤って注文してしまったことを不用意に明かしている。
この2つの話は、意図的に自慢しようとしていたのかどうかということが重要なのではない。それでは、なぜ人々はソーシャルメディアで自慢をするのだろうか。
ある程度の自己認識を持ち、見せる対象が誰なのかを把握することが重要な場合もある。Teer氏はある架空の上司を例にだした。指導的立場にある人が自分よりも多く稼いでいると仮定するのは、おそらく妥当なことだろう。それ自体は悪いことではないが、自社で多くの人間が解雇されている中で、その上司が贅沢なライフスタイルを見せつけているのだとしたら、話は変わってくる。
「人々がどう反応するかは、機会と公平性に対する認識によって大きく左右される可能性が高い」(Teer氏)
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