パナソニック ライフソリューションズ社は3月24日、可搬式の小型バッテリー「e-block(イーブロック)」を発表した。バッテリーと充放電器を分け、バッテリーだけを持ち運んだり、交換しながら継続して使ったりできる。受注開始日は5月21日。電材や住建ルートなど、法人向けに販売する。
イーブロックは、可搬型バッテリーと専用充放電器で構成する小型バッテリー。蓄電容量304Whの「イーブロックバッテリー PQB0311A」(税別価格:8万円)とACコンセント1口を備えた充放電器「イーブロックデスク PQEA103A」(同:5万円)と、ACコンセント2口、USBコンセント2ポートを備えた「イーブロックスタンド PQEB103A」(同:8万円)を用意する。イーブロックスタンド、イーブロックデスクと組合せてAC100Vの機器へ給電ができるほか、イーブロック単体でUSB出力にも対応する。
従来のポータブル電源は、電池残量がなくなるとコンセントのあるところまで装置ごと持ち運び、充電する必要があったが、イーブロックはほかのバッテリーを充電しておくことで、交換しながら使えることが特徴。災害時の電源確保に加え、コンセントの位置に制約を受けることなく、配線不要で電源を用意できる。
パナソニック ライフソリューションズ社エナジーシステム事業部PSマーケティングセンター 所長の櫻井聡氏は「昨今、自然災害が多発し、避難所での暮らしは他人事ではない。避難所は三密になりやすく、感染リスク対応として区画を分ける形に変わってきているが、充電スポットは三密になりやすい。そこで、ソーシャルディスタンスを保てる新たな電源ポイントが求められている。一方、新型コロナは働き方にも影響を与え、多くの企業がリモートワークを採用し、毎日オフィスにいくことは当たり前ではなくなってきている。自宅にも仕事スペースの確保が必要だし、オフィスではソーシャルディスタンスを見据えたリニューアルが求められている。仕事空間の変化に伴い、それぞれの場所で新たな電源ポイントが必要になっている。いつでもどこでも使える電源ポイント、それを未来に先駆けて発売する」と、開発の背景を話す。
イーブロックは、本体にLED表示を設け、バッテリ残量がわかるほか、Bluetoothを備え、スマートフォンアプリと無線で通信することで、複数のイーブロックの状態を一度に確認することが可能。アプリでは、最大12台までのイーブロックを検知し、製造番号の表示に対応。電池残量が一覧できるほか、選択したイーブロックの劣化状態や使える時間表示の目安が確認できる。選択したイーブロックは、LEDが点灯することでわかる仕組みだ。
バッテリーと充放電器の組合せで、電気用品安全法を補完し、電気製品の安全のための第三者認証制度であるSマーク認証を取得。寿命となったバッテリーは、バッテリーの残量を放電させる廃棄放電処理機能を搭載し、廃棄までを視野に入れる。長期間保管時には、バッテリーの自己消費を抑制する「スリープ機能」も備える。
イーブロックのバッテリー寿命は、1日1回充放電する形で約5年。充放電器は10年程度の使用を想定しており、イーブロック自体を買い替えながらの使用も可能だ。
パナソニックでは、必要な時に電源がある安心、安全な暮らしを実現し、2021年度に3万台、2024年度に6万台、2030年度に12万台の販売を目標にしている。
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