京急電鉄らが取り組むオープントップバスとVRゴーグルを活用した「XR観光」を体験

 京浜急行電鉄(京急電鉄)、シナスタジア、サムライインキュベートが進めている、VRやAR技術を活用して横浜の魅力を発信する「オープントップXR観光バスツアー@横浜」について、3月19日に試験運行を実施。報道関係者向けにも公開し、実際に体験した。

「オープントップXR観光バスツアー@横浜」体験イメージ
「オープントップXR観光バスツアー@横浜」体験イメージ
天井がないオープントップバスに乗り込み、VRゴーグルを装着して、横浜のみなとみらい地域を周遊する
天井がないオープントップバスに乗り込み、VRゴーグルを装着して、横浜のみなとみらい地域を周遊する

 これは、屋根のない2階建てバスを活用した「KEIKYU OPEN TOP BUS 横浜」の運行ルートを、搭乗者がVRゴーグルを装着して巡るというもの。屋根がなく換気の必要がない開放的な空間であることから、Withコロナ時代における感染症対策に配慮したバスツアーとなっている。京急電鉄とサムライインキュベートが取り組む、モビリティを軸とした豊かなライフスタイルの創出を目指した「京急アクセラレータープログラム」の一環として進められている。

試験運行で使用された「KEIKYU OPEN TOP BUS」
試験運行で使用された「KEIKYU OPEN TOP BUS」

 バスの座席にはVRゴーグルが設置。そのVRゴーグルには前面にカメラが付けられており、ゴーグルを装着した際に、現実の世界を映し出すようになっている。また窓側上部にはVRゴーグルの動きを感知するセンサーも搭載している。さらに、バス自体にも走行位置を感知するセンサーが搭載されており、場所にあわせたVRゴーグル内の演出が行われるようになっている。

座席に備え付けられた、カメラ付きのVRゴーグル
座席に備え付けられた、カメラ付きのVRゴーグル
窓の上には、VRゴーグルを検知するセンサーが設置
窓の上には、VRゴーグルを検知するセンサーが設置
カバーに覆われているが、バスの位置を検知するセンサーも搭載
カバーに覆われているが、バスの位置を検知するセンサーも搭載

 内容としては、横浜三塔をモチーフとしたトランプが出現し、ストーリー仕立てでしゃべりながら、みなとみらい地区を約30分程度案内してくれるもの。ただ単に名所をガイドとして説明するだけではなく、さまざまな演出が用意されているのも特徴。基本的にはカメラで映し出された現実世界とキャラクターや演出を交えた、いわゆるXRの表現をメインとしているが、なかには世界が一変する感覚になるような、仮想空間(VR)の表現もある。

VRゴーグル内の映像イメージ
VRゴーグル内の映像イメージ
現実の世界だけではなく、仮想世界を案内されることも
現実の世界だけではなく、仮想世界を案内されることも

 筆者が体験したなかで感じたのは、想像していたよりも新鮮な感覚が得られたということだ。これまでも、VRヘッドセットと体感型マシンを組み合わせたコンテンツをいくつか体験しており、マシンの振動や送風機などによる風で現実さながらの体感をしていたが、オープントップバスということで自然な風とバスの振動が受けられ、心地いいと感じられるものとなっていた。さらに、外の景色がオフとなるVR空間では、風と振動がある意味本物であるため、より高い臨場感を得られたのも印象的だった。

 現状ではまだデモ段階としているため、カメラを付けたVRゴーグルが重いものになっているうえ、全般的に空を見上げる形で進行するため、首の負担が気になったところもあるが、機材の改善など軽量化を進めていくという。今後、今春のゴールデンウィーク実装を目指すとしている。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]