新型コロナで訪問不可に、どうする?--一長一短、テレワーク時代の広報活動

 新型コロナウイルスの影響でテレワークを行う企業が急増した。CNET Japanをはじめとするウェブ媒体は編集者のITスキルが高く、機材や自宅回線が整っているため3月下旬から続々とテレワークを導入し始めていた。

 筆者の仕事はクライアント企業の広報をお手伝いする広報代理業。新製品などを編集者に紹介して、記事を書いてもらう活動をしている。新製品の紹介をしたくても、テレワーク導入で編集部から編集者がいなくなった──。さてどうする。

 今回は新型コロナウイルスの影響で激変した広報活動を紹介しよう。広報に限らず、営業など取引先を訪問できなくなった人も参考になるかもしれない。

広報活動って何してる?

 一般の人は「新製品の発表」と聞けば、大きな会場でCEOがプレゼンする様子や芸能人が新製品を手にPRするイメージを持っているかもしれない。日々、多くの新製品が発表されるが、そのすべてが報道陣を集めて新製品発表会を開催しているわけではない。発表会以外に筆者が行っている広報手段は、以下の2つだ。

  • 事前に出版社を訪問し新製品のデモを行い後日リリースを配信する
  • 新製品のリリースをメールで配信する

 「発表会」「媒体訪問」「配信のみ」のどれを選択するかは、企業の規模、知名度、人気、注目度などもよるし、新製品の機能、市場価値、インパクト、力の入れ具合などにも左右される。実際に筆者が広報を行った事例で説明しよう。

ゲーミングデバイス「Mad Catz」が日本再上陸

 最初は発表会の事例。ゲーミングデバイスで有名だったMad Catzが倒産から復活し、日本での販売を再開することになった。海外からメーカーの代表が来日したことや、日本の代理店から「発表会をやりたい」と希望されたので記者発表会を実施した。筆者は広報としては数十人の編集者、ライターを集め、リリース資料も作成。当日は登壇者の立ち位置と背景のロゴの位置、照明などを撮影用に調整。3人の登壇者の名刺のコピーを資料と一緒に配布。司会進行も筆者が担当した。

 
 
個人と銀行を結ぶ融資プラットフォーム「クラウドローン」

 次は媒体訪問の事例。個人が銀行から低金利で融資(マイカーローンなど)を受けられるB to Cのマッチングサービスだ。スタートアップなので代表者と一緒に媒体を訪問。スマホで融資希望を入力するデモや、個人向け融資の実情やサービスの仕組みなどを編集者に説明した。

 
 
「プラネックス、フルHD対応ウェブカメラ「USB-CAM01」を発売へ

 最後はリリース配信のみの事例。想定売価が3980円(税込)のウェブカメラなので、極々普通の製品だが、ウェブカメラが品薄なこの時期に発売する点が最大のウリだ。三脚に設置できることと、カメラヘッドとスタンドが回転し設置の自由度が高い点を強調しているが、わざわざ編集部まで見せに行くほどの製品ではない。“リリースを見れば理解できる”製品は配信のみを行っている。

 
 

 このように、企業や製品に合わせて発表方法を選択している。筆者の場合はクライアント企業が都度異なるが、企業の広報担当なら製品に合わせてリリースの方法を選択することになる。

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