ソフトバンク子会社で、無人飛行機(UAV)からの通信サービス提供を計画しているHAPSモバイルは、同社製UAV「HAWK30」用のペイロードをGoogle兄弟会社のLoonと共同開発した。
HAWK30は、高度約2万mの成層圏を飛行し、上空から無線通信サービスを提供するためのUAV。成層圏は通常の航空路よりはるかに高高度で、気象変化の影響を受けずに済む。そのため、この種の航空機は、一般の飛行機より長時間にわたって連続飛行し、人工衛星に準じる高度を飛んで飛行機と人工衛星をそれぞれ補完する機能を提供できることから、高高度疑似衛星(High Altitude Pseudo-Satellite:HAPS)とも呼ばれる。
HAPSモバイルがAeroVironmentと共同開発したHAWK30は、ソーラー発電パネルとリチウムイオンバッテリを搭載しており、電力で飛ぶ。数カ月の連続飛行が可能という。
ペイロードの共同開発は、HAPSモバイルとLoonが結んだ戦略的提携に基づく取り組み。Loonが運用中のHAPS気球で採用しているペイロード技術を、HAWK30に適用したもの。強い風や-90℃にもなる低温など、厳しい成層圏の環境で長時間稼働するペイロードを開発した、Loonのノウハウがいかされたという。
このHAWK30用ペイロードはLTE通信システムを搭載し、「成層圏に浮かぶ基地局」として機能する。そのため、地上のスマートフォンなどに直接LTE通信ネットワークのサービスが提供できる。
機体と地上の通信接続ポイント間のバックホール回線は、ミリ波通信システムで確保する。同通信システムは、成層圏で飛行する複数機体間の通信にも利用される。ペイロードに搭載されるアンテナは、最大700km離れた地点間のP2P通信で最大1ギガbpsのデータ通信を可能にするそうだ。さらに、アンテナは機体の動きに合わせて地上局などを自動追尾し、通信を維持する。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス