ソフトバンクの傘下企業で、無人飛行機(UAV)からの通信サービス提供を計画しているHAPSモバイルは、Facebookによる高高度疑似衛星(High Altitude Pseudo-Satellite:HAPS)通信サービス向けシステムの実証実験に参加した。
HAPS通信とは、成層圏を飛ぶ飛行機などを基地局として使い、インターネット接続サービスなどを提供するもの。成層圏は通常の航空路よりはるかに高高度で気象変化の影響を受けずに済み、この種の航空機は一般の飛行機より長時間にわたって連続飛行できるそうだ。人工衛星に準じる高度を飛んで飛行機と人工衛星をそれぞれ補完する機能を提供できることから、HAPSと呼ばれる。
HAPSモバイルの目的は、通信ネットワークの整備が困難な山岳部や離島、発展途上国などでインターネット接続環境を提供すること。そのため、HAPS事業の普及、発展を目指し、Facebookと協力している。
南アフリカで実施した今回の実験では、Facebookの開発した通信システムを飛行機に搭載し、高度4kmを飛行させて通信状況を調べた。具体的には、HAPS向けに標準化される見込みという26GHz帯と38GHz帯の電波を、地上で受信できるかどうか確認した。
なお、HAPSモバイルは、無人飛行するHAPS機「HAWK30」をハワイ上空の成層圏で試験飛行させることについて、米連邦航空局(FAA)から許可を取得している。
また、FacebookもHAPS機「Aquila」を開発し、小型モデルの試験飛行と、フルサイズ機の完成まで到達していた。しかし、現在は独自開発計画を中止し、同様の飛行機「Zephyr S」を持つAirbusなどのパートナー企業との共同開発や、インターネットサービス衛星「Athena」の開発へ軸足を移した。
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