チップメーカーのQualcommと特許係争を繰り広げているAppleが、ドイツで一部の「iPhone」旧機種の販売を停止する。
Qualcommが現地時間12月20日に公開した声明によると、ミュンヘンの地方裁判所は、スマートフォンの省電力に関するQualcommの技術をAppleが侵害していると判断し、Appleに対してドイツでの端末販売の差し止めを命じた。
米CNETはAppleにコメントを求めたが、回答は得られていない。AppleはCNBCに対し、上訴する意向を明らかにした。そうなれば、販売差し止め命令は直ちには執行されない。CNBCによると、Appleは上訴手続きが済むまで、ドイツの直営店15店舗で、旧型機種の「iPhone 7」「iPhone 8」の販売を停止すると述べたという。
AppleはCNBCに対し、最新機種である「iPhone XS」シリーズと「iPhone XR」の販売は継続され、ドイツの通信事業者や再販業者からは全機種を購入可能だと述べた。
Qualcommが侵害されたとする特許は、スマートフォンの電力消費をより効率的にし、バッテリの持続時間を延長できるようにするものだという。
QualcommのゼネラルカウンシルでエグゼクティブバイスプレジデントのDon Rosenberg氏は声明で、「このわずか2週間で、異なる2地域の2つの著名な裁判所が、Qualcommの特許の価値を認め、Appleが侵害したと判断して、ドイツと中国という重要な市場でiPhoneの販売を差し止めるよう命じた」と述べた。同社は、さらなるコメントは控えた。
Qualcommは12月に入り、中国の裁判所で仮差し止め命令が認められた。これを受け、中国の裁判所はAppleの中国子会社4社に対し、特許侵害を理由に、iPhoneの輸入または販売の停止を命じた。
Appleは2017年1月にQualcommを提訴し、約10億ドルの支払いを求めていたが、それ以降両社は特許をめぐる係争を続けている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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