現代人の生活は、どこへいってもスマートフォンやスマートスピーカといった多種多様な電子デバイスに囲まれている。この種のデバイスは便利なため手の届くところに置いておきたいものの、部屋のインテリアやその日のファッションによっては武骨なデザインの機器など使いたくない。
そのような場面では、たとえばGoogleとLevi Strauss(Levi's)が共同開発したデニム製スマートジャケット「Levi's Commuter Trucker Jacket with Jacquard」のようなアプローチが考えられる。
同様の発想で、Appleは何らかのデバイスのリモコンとして機能する布で覆われたデバイスに関する技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間12月18日に「FABRIC CONTROL DEVICE」(特許番号「US 10,156,029 B1」)として登録された。出願日は2018年3月29日。
この特許は、何らかのデバイスを無線制御する電子デバイスについて、電導性のある繊維を含む布で覆いつつ操作できるようにする技術を説明したもの。ボタンやタッチセンサ、圧力センサ、近接センサなどを組み込み、指で触れるなどして操作すると、入力データにもとづいたコマンドが無線通信で操作対象のデバイスへ送信される。
布には、操作の目安となるようにラベルを設けておける。また、LEDなどの発光デバイスと光ファイバを組み合わせると、フィードバックや通知の手段も組み込める。
Appleは、この特許を適用することで、バッグや衣服、家具など布を使ったものを無線リモコン化できるとしている。また、操作面を布で覆った電子デバイスも実現できる。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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