ウェザーニューズは7月21日、1年で最も気象災害が多発する7~9月に向け、天気アプリ「ウェザーニュースタッチ」のiPhone版をリニューアルしたと発表した。
台風やゲリラ豪雨・大地震など、いざという時に充実した防災情報を最速で確認できるよう、ホーム画面を一新。新機能「マイ天気」を設け、ユーザーがカスタマイズしたお気に入りの画面に左右フリックですぐにアクセスできるようにした。また、アプリ起動時のスピードも高速化し、瞬時に天気予報を確認できる。
さらに超局地的な気象予測モデルを新たに開発し、天気予報のデータについても飛躍的に向上したという。
新たな気象予測モデルは、ウェザーニューズが全国に約1万3000箇所に備えた独自の気象観測網による気象観測データ、ひまわり8号の衛星画像、ユーザーに配付した3万5000台の小型気象観測機による観測など、あらゆる気象データを組み合わせて開発された、超局地的な予測モデルとなる。
なお、ユーザーからは、現地の天気の写真(ウェザーリポート)が1日3万通(台風など多い時は5万通)届き、簡易な天気リポートを含めると1日13万通届くという。さらに、全国7000名が天気予報の改善案を提案できる取り組み「プロジェクトicon」に参加し、常時天気予報へのフィードバックを行っている。
解像度は1kmメッシュ、更新は5分毎と、高解像度・高頻度での超細密天気予報を実現しており、従来運用されてきた予測モデル(最詳で5kmメッシュ/1時間更新)と比較すると、メッシュ数は25倍、計算するデータ量としては1800倍になるという。
また、3月より試験運用を実施しており、3~6月の予報精度(速報値)は運用開始以前より平均して3.3%向上し、高い所で4.0%向上したところもあったという。
1kmメッシュの天気予報は、ウェザーニュースタッチにある「マイ天気」や「天気予報 Ch.」などの一般向け天気予報にて利用可能。また、ウェザーニュースウェブサイト「ウェザーニュース」でも利用できる。
新たな予測モデルの導入により、毎日の天気予報の精度向上だけでなく、従来の予測モデルでは反映が困難だった現象や地域への天気予報がより正確に行えるようになる。例えば、ゲリラ豪雨のような局地的かつ突発的に短時間の集中豪雨をもたらす現象では、雨雲の大きさは数~十数kmと影響範囲が狭いため、従来の予測モデルでは、予報センターの意図を反映できなかった。しかし、今夏以降は予報の大幅な改善を見込む。
さらに、従来の予測モデルでは、標高差を反映しきれない地域もあったが、1kmメッシュの解像度により、詳細な標高差を反映できるようになった。そのため、天気だけでなく、気温についても飛躍的な予報精度の向上が期待できるという。同社によると、今夏における熱中症の警戒情報を、これまで以上に正確に発表できるため、熱中症による救急搬送者の軽減につなげていきたいとしている。
同社では、今後も観測データや現地ユーザーからのフィードバックを元に、同予測モデルを継続的にバージョンアップしていくという。
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