その理由の1つは、AmazonもNestも、スマートホームのパートナーシップが比較的容易になるオープンソフトウェアプログラムを提供していることだ。
Amazonが利用する「Alexa Skills Kit」は、開発者がAmazon Echoや「Echo Dot」「Amazon Tap」デバイスに対する独自の統合を開発できる場所だ。スマートホーム固有のプロジェクトのために、専用の「Smart Home Skill API」まで用意されている。だがそれも、同社のオープンソフトウェアプラットフォームの一部にすぎない。AmazonのSkills Kitには6月14日の時点で1200以上の統合があり、それこそ「Alexa ask 1-800-Flowers to order Becky flowers」(Alexa、1-800-FlowersでBeckyに花束を注文して)から、「Alexa, Ask Albert Einstein Facts to tell me a fact」(Alexa、Albert Einstein Factsに質問して真実を教えて)まで、幅広い統合がある。
Nestの「Works with Nest」プログラムもほぼ同じように機能するが、こちらは統合のキュレーションをさらに進めて、ほぼスマートホームのデバイスとサービスだけに限定している。
Siriのソフトウェア開発キットは、AppleにとってAmazonやNestに追いつくチャンスになるだろうが、そのための課題はまだ山積みだ。
HomeKitについては、わかっていないことが多い(たとえば、Amazon Echoに相当する製品はどうなっているのか)。2016年のWWDCでは少なくとも、Appleがスマートホーム分野で優位に立ちたいと考えていることは明らかになった。だが、iOS 10でHomeKit用のHomeアプリを追加して、Siriを開発者に開放するのは、出発点でしかない。
Appleは、HomeKitが防犯カメラに対応することもWWDCで発表している。iPhoneのロック画面からライブフィードを確認できるようになるので、これは大きな進歩だ(August、Ring、Kunaなどが初期のパートナーとして参加している)。さらに、米国の大手住宅建築会社であるLennarやKBなどが、新しい建設工事にHomeKitを組み込む予定であることも明らかにされた。こうした歩みと、Echo対抗製品のうわさのはざまで、HomeKitとSiriはどちらも、Appleが短期間のうちにスマートホーム分野でもっと有利な地位を確立するきっかけになる可能性がある。HomeKitの新機能がいっせいに導入されるiOS 10は、間もなくベータ版が公開され、最終リリースは2016年秋に予定されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する