新経済サミット2014

シリコンバレーの日本人から学ぶ--「考える前に動くこと」のススメ - (page 4)

日本にもシリコンバレーを作ることはできるのか?

 最後に、よく議論としてあがる、「日本にシリコンバレーを作ることはできるのか」というテーマが話し合われた。

 外村氏は、「論理的にいうと、日本もそう変わらない。ただ、日本人はお利口すぎてマジョリティに囲まれると、巻化され、空気を読んで意見を変えてしまうところがある」と、反論をしない日本の雰囲気がマイナスになると指摘する。

 この意見にはモデレーターの伊佐山氏も賛同し、「自分も前職では周囲から空気を読み過ぎると言われていた。それは悪いことではなく、むしろ長所ではないかと思っていたが、シリコンバレーにいると、鈍感な人が集まることで、お互いにどんどん発言し合い、その中から正解が見つかることもあるんだと実感した」と、設備や法律といった面ではないシリコンバレーのメリットを述べた。

 松田氏は「クパチーノにはあらゆる人種がいて、その人達向け製品を開発することで、グローバルに販売するためのテストが行われている状況にある。気をつけて見ると、家や量販店も米国と日本では違うし、感性が違う。日本だけに向けた製品開発をしていてはグローバルには受けないと思った。現在はデザインが重要な時代。顧客の立場から見て、グローバルに受けるデザインを作れるのはシリコンバレーしかない」と、日本人だけに向けた製品作りとは異なる環境であることを指摘した。

 それに対し伊佐山氏が、「日本企業でシリコンバレーに拠点を置いている企業は多い。それなのにグローバルな製品作りという視点の商品が日本から生まれないのは何故か」と質問。松田氏は「グローバルではiPhoneに代表される、シンプルなデザインが求められる時代だと思うが、日本の場合、デザインをする人にその決定権がないのでは」と答え、単にシリコンバレーに拠点を作るだけでは不十分という見方を示した。

 最後にモデレーターの伊佐山氏は、「これからどうしていくべきかは、今回のパネリストの発言の中に答えがあるのでは。シリコンバレーの日本人が特別なのではなく、居心地のいい日本を飛び出したということ。以前先輩から、考えてから動くではなく、動いてから考えろとアドバイスされたことがある。これが日本人に一番求められる原理ではないか。ただし、現実には壁もある。ビザをとるのは大変だし、家族の問題もある。楽しいことは面倒臭い。結局生き残れるのは環境の変化に対応した人だけ。今の世の中の変化に気づいて行動する人だけが生き残れる。迷わずやる!が締めの言葉になる」と話し、パネルディスカッションを締めくくった。

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