国内外のテクノロジ界のイノベーターを集めたカンファレンス「新経済サミット2014」が、4月9日から2日間の日程で開催された。4月10日のトークセッションでは、「アジアにおける破壊的なイノベーション〜アジアの先進企業におけるイノベーション事例」と題したセッションが公開された。
セッションスピーカーとしてRenren Inc.会長兼CEOのJoseph Chen(ジョセフ・チェン)氏、Kakao Corp. 共同CEOのイ・ソクウ氏、Google アジア太平洋地域担当社長のKarim Temsamini(カリム・テムサマニ)氏、モデレーターにインフィニティ・ベンチャーズLLP共同代表パートナーの田中章雄氏が登壇した。
中国最大の実名制SNSの「Renren」。2005年からスタートした同サービスは、約2億人のアクティブユーザーを持ち、中国の大学生の約9割が利用している。Joseph氏は、中国で起きている3つの事例について説明した。
1つ目は、「WeChat」などに代表されるモバイルメッセージの台頭だ。2013年でユーザー数は世界で4億人を突破したWeChatは、2014年にモバイル上での決済サービス事業「WeChat Wallet」を開始。ソーシャルゲームなどのコンテンツ事業を始めとした、プラットフォームによる垂直統合型のサービスを作り上げているという。
「メッセージから入り、いまや決済やゲームなどを含んだプラットフォームへと広がってきた。ユーザーのサービスに対するエンゲージメントも高く、モバイルを軸とした変化が中国で起きている」(Joseph氏)
2つ目は、スマートフォンメーカーのXiaomiなどに代表されるハードウェアの変化だ。Androidベースのスマートフォンを開発しているXiaomiは、オンライン注文によるネット販売に特化している。物理的な店舗や販路を持たず、ソーシャルメディアや口コミだけで広告、拡販することで、他社が出している同スペックのスマートフォンよりも安価な値段での販売を可能にしているという。
「製造をアウトソーシングして価格を抑え、デザインやUXを徹底的に追求している。ハードウェアの流通とコミュニケーションインフラが整ったからこそのイノベーションといえる」(Joseph氏)
3つ目として自身のRenrenのサービスを踏まえながら、モバイルの未来について語った。Renrenでは、テキストや写真だけではなく、音声付きの写真を投稿できるという。位置情報にも特化し、今後ますます盛り上がるモバイルの分野において、音声や位置情報といった3次元の情報のやりとりが可能となるとし、「人の歴史や思い出を共有する時代がくる」とJoseph氏は語った。
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