こうしたZyngaへの依存は急激に強まっており(Facebookは、同社の売上高にZyngaが占める割合は、2009年と2010年には10%未満だったとしている)、現在の契約が満了するのは2015年だ。同時に、この支払い分野からくる売り上げの割合も、過去3年間で増加している。
FacebookはS-1申請書の中で、Zyngaをどの企業よりも多い24回にわたって言及しているが、これには理由がある。最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏にとって、ZyngaのCEOのMark Pincus氏との良好な関係を維持することは非常に重要だからだ。申請書で警告しているように、Zyngaが競合プラットフォームでゲームを公開する、あるいは既存のゲームをFacebook以外の場所に移すという可能性も考えられる。Zyngaとの関係を悪化させることは、Facebookの売り上げに大きな打撃を与えることを意味する。
もちろん今のところ、Facebookはソーシャルネットワークの世界では圧倒的な存在だ。その結果として、ZyngaやすべてのアプリメーカーはFacebookにいたいと考えている。これだけ多くの人にリーチできる方法はほかに全くない。Facebookはアプリメーカーに、同社の支払いシステムの使用とネットワーク全体での広告に対する支払いを要求している。いずれかの時点でそうした費用が負担になり、別の場所に移って独自のブランド認知度をあてにしようと考える開発者も出てくるだろう。
Facebookの支配的地位を考えれば、すぐにそうなるとは考えにくいが、起こり得ることであるのは確かだ。
FacebookがZyngaに依存しているということは、Facebookの運命は、Zyngaのゲームの人気と結び付いていることを意味する。Zyngaがその成長を維持できるという保証はなく、ユーザーがゲームに飽きることで成長が鈍化する可能性があるという懸念も以前からある。
Facebookはハッカー精神から生まれた。そして同社は、自分たちが直面している、悪質なハッカーからのリスクをはっきりと認識している。
Facebookは次のように認めている。「コンピュータのマルウェアやウイルス、コンピュータのハッキングやフィッシング攻撃は、われわれの業界にまん延してきている。それらはわれわれのシステムでも過去に発生したことがあり、将来的に発生する可能性がある」
単に大きいというだけで、Facebookは大きな攻撃対象である。スパムや技術的問題も重要だが、プライバシー保護の問題もある。Facebook全体で個人情報の盗難が何件発生したら、あなたは自分のアカウントの無効化を決断するだろうか。
Facebookは先週末にかけて、ハッカーグループAnonymousによる組織的攻撃に対処する必要があった。ただし同社はその攻撃をほとんど混乱なく切り抜けている。
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